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2025/09/25

虫歯が痛いときに自力で治せる?応急処置と自然治癒の限界を解説

「虫歯が痛いけど歯医者に行く時間がない……」「自然に治る方法はないの?」「自力で痛みを何とかできないかな……」と考える方も多いのではないでしょうか。

残念ですが、虫歯は自然に治ることはありません。応急処置で一時的に痛みをやわらげられますが、根本的な解決には歯科医院での治療が必要です。

この記事では、虫歯が自然治癒しない理由や痛みを抑えるための応急処置、放置によるリスクについて解説します。

さらに、歯科医院が苦手な方でも不安なく受けられる最新治療法や、虫歯を繰り返さないための予防習慣も紹介します。

虫歯の痛みで悩んでいる方は、応急処置だけに頼ろうとせず、できるだけ早めに歯科医院を受診することが大切です。本記事が受診のきっかけになれば幸いです。

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虫歯は自力で治せる?自然治癒の限界と理解すべき3つのポイント

虫歯の痛みに悩む女性が口元を押さえている様子

「虫歯は自然に治るのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、虫歯は自力で治すことはできず、放置すれば少しずつ進行します。

ここでは、虫歯を理解するうえで重要な3つの視点を紹介します。

  • 虫歯が自然治癒しない理由
  • 初期虫歯と進行した虫歯の違い
  • 痛みが出る仕組みと危険なサイン

虫歯が自然治癒しない理由

虫歯は、細菌がつくる酸によって歯の表面が溶けていく病気です。一度失われた歯の組織は、自然に戻ることはできません。

ごく初期であれば「再石灰化」と呼ばれる働きによって進行を遅らせることはできますが、穴が開いた部分が自然に塞がることはなく、歯科医院での治療が必要です。

ちなみに、厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、かつて3歳児の虫歯有病率は50%を超えていましたが、令和6年には約13%まで下がっています。

これは「自然に治った」のではなく、予防や早期治療の成果によるものです。

そのため「放置すれば治るかも」という期待は危険であり、悪化を防ぐには適切な処置が欠かせません。

>>参照:『う蝕罹患の現状(平成30年)』|厚生労働省

>>参照:『令和6年 歯科疾患実態調査結果の概要』|厚生労働省

初期虫歯と進行した虫歯の違い

初期の虫歯は白く濁ったように見え、痛みを感じにくいため気付きにくいのが特徴です。

象牙質まで進行すると冷たいものや甘いものがしみ、さらに神経まで到達すれば夜も眠れないほどの激痛を伴います。

進行度によって治療方法も大きく変わります。初期なら簡単な処置で済みますが、進行すると神経を取る根管治療や抜歯が必要になることもあるでしょう。

痛みが出る仕組みと危険なサイン

虫歯が進むと、歯の奥にある神経に刺激が伝わることで痛みを感じます。

最初は食べ物や飲み物で一時的にしみる程度ですが、進行すると何もしていなくてもズキズキと痛むようになります。

特に夜に強い痛みが出る場合は、炎症が神経にまで及んでいる可能性が高く、早急な受診が必要です。

痛みの強さやタイミングは虫歯の進行度を示す重要なサインになるため、見逃さないよう注意しましょう。

虫歯の痛みを自宅で和らげる4つの応急処置

塩水うがいで口を清潔に保つ女性

虫歯の痛みは急に生じ、仕事や生活に大きな支障を与えます。そんなときは、歯科を受診するまでの間に自宅でできる応急処置を試してみましょう。

  • 冷やして血流を抑える方法
  • 塩水うがいや口を清潔に保つ方法
  • 市販の痛み止めで一時的に抑える方法
  • 避けたほうがいい自己流の対応

冷やして血流を抑える方法

強い痛みが出たときは、痛む頬の外側を冷やすと楽になります。保冷剤や氷をタオルに包み、数分あてて休むことで血流が落ち着き、炎症による痛みをやわらげられます。

ただし、長時間当て続けるとしびれを感じることがあるため、間隔をあけながら行うことが大切です。

塩水うがいと口腔ケアの工夫

ぬるめの食塩水でうがいをすると、口の中の細菌を減らし、炎症の広がりを防ぐ効果があります。

食後は歯ブラシやデンタルフロスを使って食べかすをやさしく取り除き、口腔内を清潔に保つことが痛みの悪化を防ぐポイントです。

なお、冷たい水や熱い飲み物はしみやすいため、常温に近い温度でケアするのが適しています。

市販の痛み止めで一時的に抑える方法

痛みが強く日常生活に支障があるときは、我慢せずに市販の鎮痛薬を服用するのも一つの方法です。

ロキソニンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛薬には炎症を抑える作用があり、歯の痛みにも有効とされています。

服用の際は必ず用法用量を守り、胃に負担がかかりやすい人は食後に飲むなど注意しましょう。

避けたほうがいい自己流の対応

一方で、避けたほうがよい応急処置もあります。針や爪楊枝で患部を突いたり、強く押したりすると、細菌が広がる危険があります。

また、アルコールや喫煙、熱い飲み物は炎症を悪化させる可能性があるため控えましょう。

応急処置はあくまで一時的に痛みをやわらげる方法であり、根本的な解決にはつながらないことを理解しておくことが大切です。

関連記事:歯が痛いときの応急処置7選と市販薬の正しい選び方

虫歯を放置すると起こる3つのリスク

虫歯を放置して強い痛みに悩む女性

虫歯は放置しても自然に治癒することはなく、必ず進行します。そのままにしておくと、症状の悪化だけでなく生活への影響や治療負担の増加も避けられません。

以下では、放置によって起こる3つのリスクを紹介します。

  • 初期〜中期の虫歯で起こる症状
  • 重度になると起こる合併症や生活への影響
  • 治療費や通院回数が増えるリスク

初期〜中期の虫歯で起こる症状

初期段階では見た目の変化や軽くしみる程度で、生活に影響を感じない場合もあります。

しかし中期になると食事のたびに違和感や不快感が出て、日常生活に支障をきたすようになります。

文部科学省の調査によると、小学生の約39%、中学生の約30%が虫歯を抱えているとされており、痛みがなくても進行しているケースは珍しくありません。

そのため、違和感がなくても早めに歯科医院を受診することが大切です。

>>参照:『令和3年度 学校保健統計調査速報 歯科部分』|文部科学省

重度になると起こる合併症や生活への影響

神経まで虫歯が進行すると、強い痛みで眠れない夜が続いたり、食事が思うように取れなくなったりします。

炎症が歯ぐきやあごにまで広がると、顔の腫れや発熱を伴うこともあるでしょう。

重症化すれば日常生活に大きな支障を及ぼし、最悪の場合は歯を失うことになります。

治療費や通院回数が増えるリスク

虫歯を放置すればするほど治療は複雑になり、費用も通院回数も増えていきます。

初期段階であれば簡単な詰め物で済むものが、悪化すれば神経を取る根管治療や被せ物にまで発展し、数回以上の通院が必要になるでしょう。

令和6年の歯科疾患実態調査では「う歯経験者」の割合が、20〜24歳で65.8%、25〜34歳で75.6%に達しています。

成人期には8割近くの方が虫歯を経験しており、治療を繰り返す方や複数の虫歯を抱える方も珍しくありません。そのぶん、治療費や通院回数の負担も大きくなる傾向です。

したがって、なるべく早い段階で受診することが、医療費や治療の負担を抑えるために重要です。

>>参照:『令和6年 歯科疾患実態調査結果の概要』|厚生労働省

歯医者が怖い人でも安心できる3つの最新治療法

最新設備が整った清潔感のある歯科医院の診察室

歯科を受診したいと思っても「痛みや器具の音が怖い」と感じてためらう方は少なくありません。

近年はそうした不安をやわらげるための治療法が導入されており、落ち着いて受診できるようになっています。

  • 表面麻酔や電動麻酔注射器による痛みの軽減
  • 笑気ガス・静脈内鎮静法でリラックス治療
  • レーザー治療など削らない工夫

ただし、これらの治療法は歯科医院によって対応が異なります。受診を検討する際は、あらかじめ対応状況を確認しておくとよいでしょう。

表面麻酔と電動麻酔で痛みを軽減

麻酔の注射そのものが苦手な方には、歯ぐきに塗るタイプの表面麻酔が有効です。針を刺すときのチクッとした痛みをやわらげられるため、恐怖感を大きく減らせます。

さらに電動麻酔注射器を使えば、一定の速度で薬を注入できるため圧力による痛みが抑えられ、従来よりもリラックスして治療を受けられます。

笑気ガス・静脈内鎮静法でリラックス治療

「治療そのものが怖い」「緊張して体が固まってしまう」という方には、鎮静法が有効です。

笑気ガスを吸入するとふわっとした感覚になり、不安や恐怖がやわらぎます。静脈内鎮静法では点滴で鎮静剤を投与し、半分眠ったような状態で治療を受けることができます。

いずれも意識は残るため会話は可能で、安全性の高い方法です。

レーザー治療など削らない工夫

虫歯治療といえば「キーン」という音とともに歯を削るイメージがありますが、近年はレーザー治療や特殊な器具を用いて、削る量を減らす工夫が進んでいます。

振動や音によるストレスが軽減されるため、恐怖心を持つ方でも治療を受けやすいでしょう。

最新技術の導入によって「歯医者は怖い場所」という印象は大きく変わりつつあります。

関連記事:削らず治す!虫歯の初期症状チェック法&治療費用を完全解説

虫歯を繰り返さないための3つの予防習慣

歯ブラシやフロス、マウスウォッシュなど虫歯予防に役立つケア用品

治療を終えても、同じ場所や別の歯に虫歯ができてしまうことは珍しくありません。再発を防ぐためには、日々の生活習慣を見直し、予防に取り組むことが大切です。

ここでは、虫歯を繰り返さないために役立つ3つの習慣を紹介します。

  • 毎日のセルフケアでできること
  • 歯科医院で受けられる予防ケア
  • 食生活や生活習慣の見直し

毎日のセルフケア習慣

虫歯予防の基本は毎日の歯磨きです。歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間は、デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると効果的です。

また、フッ素入りの歯磨き粉を使うことで歯の再石灰化を助け、虫歯になりにくい環境を整えられます。

特に寝る前の歯磨きは重要で、細菌が繁殖しやすい就寝中のリスクを減らすことにつながります。

歯科医院で受けられる予防ケア

定期的な歯科検診では、自分では落としきれない歯石や歯垢をクリーニングしてもらえます。

さらに、歯にフッ素やシーラントを塗布する処置によって歯質が強化され、虫歯予防に役立ちます。

小さな異常を早期に見つけてもらえるのも大きなメリットで、治療が必要になる前に対応できる可能性が広がります。

食生活や生活習慣の見直し

砂糖を多く含む飲食物は虫歯菌の栄養源となり、酸をつくって歯を溶かします。間食や甘い飲み物を控えるだけでも虫歯予防に効果的です。

また、よく噛むことで唾液の分泌が増え、口の中を洗い流す作用が働きます。一口30回噛むとよいと言われるのも、この働きを高めるためです。

規則正しい生活とバランスの取れた食事は、全身の健康はもちろん、歯の健康を守るためにも欠かせません。

関連記事:痛みがなくても進んでいる?虫歯の進行速度と予防法を徹底解説

まとめ|虫歯の痛みは応急処置だけに頼らず早めの受診を

白い歯を見せて笑顔の女性の口元

虫歯は自然に治ることはなく、応急処置で一時的に痛みをやわらげても根本的な解決にはなりません。

放置すれば症状は悪化し、強い痛みや合併症につながり、治療費や通院の負担も大きくなるでしょう。

近年は痛みを抑える麻酔の工夫や、リラックスして受けられる治療法も登場し「歯医者が怖い」という不安に配慮した選択肢も広がっています。

また、毎日のセルフケアや定期的な検診、食生活の見直しは、虫歯を繰り返さないために欠かせません。

虫歯の痛みで悩んでいる方は、後回しにせず、できるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。

小さな違和感のうちに相談することが、大きな治療を避ける最善の方法です。

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