歯が痛くなったり、気づけばいつの間にか痛みが引いていたり——。この繰り返しに理由がわからず、不安になる方は少なくありません。
「虫歯ではなさそうなのに数日おきに痛む…受診すべきか迷う」と感じている方もいるでしょう。
実は、痛みの波にはいくつか共通した原因があります。噛みしめによる負担、歯ぐきの軽い炎症、親知らずの影響など、日によって症状が変わる理由はさまざまです。
しかし、背景を知るだけでも、不安が大きくやわらぎます。
この記事では、歯の痛みが出たり引いたりする主な原因、今日から取り入れられる対処法、そして歯科を受診すべきサインをわかりやすく解説します。
痛みの変化に振り回されないためのヒントとして、ぜひ参考にしてください。
目次
歯が痛くなったり痛くなくなったりする3つの主な原因

歯の痛みは、同じ場所でも日によって感じ方が変わることがあります。強い痛みが続くわけではないものの、症状が揺らぐと原因を特定しにくく、対処の優先度も判断しにくいでしょう。
こうした波のある痛みにはいくつかの共通点があり、その仕組みを理解すると状態の把握がしやすくなります。
この章では、次の3つについて順番に解説していきます。
- 虫歯以外でも痛みが出たり消えたりする理由
- 痛みの特徴から分かるサイン
- 親知らずや歯ぐきの腫れが関係するケース
まずは、痛みが日によって変わる背景から見ていきましょう。
虫歯以外でも痛みが出たり消えたりする理由
歯の痛みが同じ場所に出たり引いたりする場合、その原因は必ずしも虫歯とは限りません。
特に多いのが、無意識の噛みしめや食いしばりによる負担です。
仕事や家事に集中していると、人は気づかないうちに歯に力を入れてしまいがちで、その日の疲れ具合やストレスの度合いが痛みの強さに影響します。
また、冷たい飲み物や熱いものが当たったときだけ一瞬ズキッとする場合は、歯の表面が敏感になっているだけのこともあります。
刺激が過ぎれば自然と症状が落ち着くため、「痛みが出たり引いたりする」ように感じられます。
さらに、歯ぐきに軽い炎症があると、腫れが強い日だけ痛みが出ることがあり、これも日によって痛みの感じ方が変わる理由の一つです。
痛みの特徴からわかるサイン
歯の痛み方の特徴には、原因を読み取るためのヒントが隠れています。
たとえば、噛んだときだけ痛む場合は歯に強い負担がかかっているサインです。夜になるとズキズキした痛みが続くときは、歯の内部でトラブルが進んでいる可能性があります。
一方で、短時間でスッと消える痛みは、何らかの刺激に対する一時的な反応にすぎないケースも少なくありません。
このように、痛みの出方や続き方を把握するだけでも、どの程度急いで対処すべきかの判断材料になります。
親知らずや歯ぐきの腫れが関係するケース
親知らずが生えてくる途中やわずかに頭を出した状態では、周囲の歯ぐきが炎症を起こしやすく、日によって痛みが変わります。
腫れが強い日は痛みが増し、炎症が落ち着いている日はほとんど気にならない——そうした波が出やすいのが特徴です。
また、体調の変化や寝不足などでも炎症が強まり、特定の日だけ痛みが出るケースも見られます。
親知らずが原因の場合、隣の歯にまで影響が及ぶこともあるため、繰り返す痛みの背景として意識しておくことが大切です。
今日からできる3つの応急処置と悪化を防ぐ方法

歯が痛むと、少しでも楽になりたいと考える方は少なくないでしょう。
強い痛みでなくても、違和感が続くだけで集中できなかったり、不安が増したりします。そのようなとき、今日から取り入れられる対処法を知っておくと安心につながります。
以下の3つについて、順番に紹介します。
- すぐにできる痛み対策
- 避けたほうがいい行動
- 痛みを落ち着かせる日常の工夫
どれも無理なく始められる方法です。できるところから試してみましょう。
すぐにできる痛み対策
歯の痛みが気になるときは、まず頬の外側を軽く冷やしてみましょう。冷やし過ぎは逆効果になるため、保冷剤をタオルで包み、短時間あてる程度で十分です。
痛み止めを使うときは、決められた量を守りましょう。空腹時の服用は避けるなど、基本的なルールを意識することも欠かせません。
また、熱い飲み物や硬い食べ物は刺激になりやすいため控えましょう。患部への負担が減り、症状がやわらぎます。
避けたほうがいい行動
歯が痛むと、つい強くうがいをしたくなりますが、これは炎症を悪化させる原因になります。特に腫れがあるときは、水圧の刺激で痛みが増すおそれがあるため注意しましょう。
また、無意識の食いしばりは痛みを強める大きな要因です。力を抜く意識を持つだけでも負担が軽くなります。
寝る前に長時間スマホを覗き込む姿勢も噛みしめを誘発しやすいため、痛みがある日は控えると安心です。
痛みを落ち着かせる日常の工夫
日常の小さな工夫でも、歯の痛みを感じにくくできます。たとえば、食事中にゆっくり噛むだけで特定の歯にかかる負担が軽くなります。
仕事の合間に肩や首を軽く回してほぐすことも効果的です。筋肉のこわばりが取れると噛みしめが起こりにくくなり、痛みも落ち着きます。
さらに、寝る前には深呼吸をして身体の緊張をゆるめるようにしましょう。痛みの波を抑える習慣として役立ちます。
こうした工夫は即効性だけでなく、再発予防にもつながります。
関連記事:虫歯で痛いときの原因と応急処置5選|放置リスクも徹底解説
歯医者に行くべき3つのタイミング

痛みが続くと、受診のタイミングに悩む方も少なくありません。あらかじめ目安を知っておくと、安心感につながります。
この章では、次の3つのポイントを紹介します。
- 早めの受診が必要なサイン
- 様子を見てもよい症状の目安
- 受診を遅らせないための考え方
無理に我慢しないためにも、判断の参考にしてみてください。
早めの受診が必要なサイン
歯の痛みには、早めに受診すべきサインがあります。
たとえば、噛んだ瞬間に強い痛みが数日続くときは、歯の根元や周囲の組織に負担がかかっている可能性があります。放置すると悪化しやすい症状です。
夜間にズキズキする痛みが増える場合も注意が必要です。身体の力が抜けたときに症状が強くなるのは、内部でトラブルが進んでいるサインでしょう。
さらに、歯ぐきの腫れや赤みを繰り返す場合も、炎症を抑えるために早めの受診が大切です。
様子を見てもよい症状の目安
一方で、すぐに受診しなくてもよいケースもあります。
冷たいものに触れたときだけ一瞬しみて、その後すぐに落ち着く場合は、歯が敏感になっているだけの可能性があります。
また、仕事で集中した日の夜だけ痛みが出て、休息をとると翌日には治まる場合も、噛みしめによる一時的な負担が原因であることが少なくありません。
ただし、症状が続く場合や痛む頻度が増えてきたときは、早めに歯科医院へ相談しましょう。
受診を遅らせないための考え方
歯の痛みは「そのうち治るだろう」と先延ばしにしてしまいがちです。しかし、痛みが出たり引いたりする状態こそ、身体が出している小さな警告といえます。
痛みが完全に消えるまで待つのではなく、気になる状態が数日続くようならで受診を検討しましょう。
仕事や家事で忙しい方ほど我慢しやすいものですが、早めに受診することで治療が簡単に済む可能性が高まり、不安やコストを減らすことにもつながります。
関連記事:頭痛と歯の痛みが同時に出るときに考えられる原因と、受診の目安
痛みをくり返さないための3つの生活習慣とセルフケア

歯の痛みがおさまっても、「また同じ痛みが出るのでは」と不安になる方もいるでしょう。日常の習慣を少し整えるだけでも、痛みの再発を防ぐ助けになります。
この章では、次の3つのポイントを紹介します。
- 噛みしめを防ぐコツ
- 日常生活でできる負担軽減
- 歯ぐきを守るシンプルなケア
できることから取り入れてみましょう。
噛みしめを防ぐコツ
集中しているときやストレスがかかっているときは、歯と歯が強く当たりやすく、歯や歯ぐきに負担がかかります。
噛みしめを減らすには、上下の歯を軽く離す意識が大切です。舌を上の歯の裏側にふわっと触れる位置に置くと、自然と力が入りにくくなり、噛みしめのクセも抑えられます。
また、肩や首がこわばっていると噛みしめが強くなりやすいため、こまめに深呼吸をして身体の緊張をゆるめることも大切です。
日常生活でできる負担軽減
痛みをくり返さないためには、日常の小さな習慣を整えることが欠かせません。
たとえば、片側ばかりで噛む習慣があると、特定の歯に負担が集中して痛みが出やすくなります。左右バランスよく噛むよう意識するだけでも、負担は大きく変わります。
また、早食いを避けてゆっくり噛むと、噛む力が分散されるため痛みを感じにくくなるでしょう。
睡眠不足や疲れがたまった日は噛みしめが強まりやすいため、休息の質を整えることも大切です。疲労が軽くなるだけでも、歯の負担は大きく軽減されます。
歯ぐきを守るシンプルなケア
歯ぐきを守るケアも欠かせません。
歯磨きのときに力を入れすぎると歯ぐきが傷つき、痛みが出る場合があります。歯ブラシはペンを持つように軽く握り、なでるように動かすのが理想的です。
さらに、仕上げのすすぎをぬるま湯で軽く行うと刺激が少なく、歯ぐきにやさしいケアになります。
歯ブラシの毛先が広がったまま使うと歯ぐきを傷つけやすいため、早めの交換を習慣にしましょう。トラブルの予防につながります。
デスクワーク中にできる2つの予防策

長時間のデスクワークは、気づかないうちに噛みしめが強くなり、歯の痛みを招きやすい環境です。仕事中でも取り入れやすい工夫を知っておくと、負担を減らせます。
この章では、次の2つの視点から予防策を紹介します。
- 姿勢と噛みしめの関係
- 仕事中にできる簡単ストレッチ
すぐに試せる内容ばかりです。できるところから取り入れてみてください。
姿勢と噛みしめの関係
デスクワークが続くと姿勢が前かがみになり、あごが前へ出ることで噛みしめが強まります。
画面を覗き込む姿勢が長く続くと首や肩に力が入り、歯にかかる負担が増えるでしょう。
背筋を軽く伸ばし、モニターを目線より少し下に設定するなど、自然と力が入りにくい姿勢を保つことが大切です。
椅子の高さを調整して腕がリラックスできる位置に置くと、全身のバランスが整い、噛みしめのクセも出にくくなります。
仕事中にできる簡単ストレッチ
噛みしめは、肩や首のこわばりと深く関係しています。
デスクワークの合間にゆっくり肩を回したり、首を左右に倒して伸ばしたりするだけでも、筋肉の緊張はやわらぎます。
深呼吸を取り入れることもおすすめです。身体の力が抜けてあご周りの負担が軽くなり、歯への影響も抑えられます。
長時間同じ姿勢が続くと噛みしめが起こりやすいため、1時間に1回は席を立ち、軽く身体を動かす習慣をつけると効果的です。
関連記事:歯茎を押すと痛いのに腫れてない…これって何?考えられる4つの原因と対処法
放置すると起こりやすい3つのリスク

歯の痛みがあっても「少し様子を見よう」と後回しにしてしまう方も少なくありません。しかし、痛みを放置すると思わぬトラブルにつながるおそれがあります。
この章では、次の3つのリスクを紹介します。
- 放置で起こりやすいトラブル
- 痛みが消えても安心できない理由
- 早めの対処が負担を減らす理由
順番に確認しておきましょう。
放置で起こりやすいトラブル
症状が軽いからと放置すると、トラブルが進行するおそれがあります。
たとえば、歯ぐきの炎症が強まって腫れや出血を繰り返すと、痛みが以前より強くなります。
また、噛むたびにズキッとする症状が増えると、歯の根元や周囲の組織に負担がかかり、治療が必要になる場合もあるでしょう。
親知らずが原因の痛みでは、隣の歯に影響が広がり、腫れや口の開きにくさが出て日常生活に支障をきたすことも珍しくありません。
このように、軽く思える痛みでも、放置すると大きな問題につながる可能性があります。
痛みが消えても安心できない理由
歯の痛みが消えると「治った」と思いがちですが、実際は一時的に落ち着いただけのことがほとんどです。
噛みしめによる筋肉の疲れがやわらいだ時や、炎症が一時的に静まったタイミングでは痛みが気にならず、「痛くなくなった」と感じることがあります。
しかし、根本的な原因が解消されていなければ、再び痛みが現れる可能性は高いままです。
痛みが消えたことで油断してしまうと、気づいたときには症状が悪化しているケースもあるため、痛みの消失を過信しないようにしましょう。
早めの対処が負担を減らす理由
歯の痛みは、早めに向き合うほど治療の負担や時間、費用を抑えられます。
症状が軽いうちであれば、生活習慣の見直しやセルフケアの改善だけで落ち着くこともあります。
治療が必要になった場合でも、軽度の段階であれば短時間で済むことが多く、生活への影響も最小限に抑えられるでしょう。
逆に放置して症状が進むと、治療が複雑になりやすく、通院回数も増えて負担が大きくなりがちです。
忙しい方ほど、早めの対処を心掛けましょう。
まとめ|痛みの変化はサイン。原因を知って早めに対処しよう

歯の痛みが日によって変わる状態は、一見大きな問題ではないように思えても、身体が発している大切なサインである場合があります。
噛みしめによる負担や歯ぐきの軽い炎症、親知らずの影響など、痛みが揺らぐ理由はさまざまです。どのような原因であっても、早めに対処するほど大きなトラブルは避けやすくなります。
今日から取り入れられる応急処置や、負担を減らす生活習慣を意識するだけでも、痛みを落ち着かせられるでしょう。再発の予防にもつながります。
症状が続くときや悪化が気になるときは、無理をせず歯科医師に相談することが大切です。
気になる変化をそのままにせず、早めに向き合うことが、快適な毎日を守る一歩になります。
愛知県半田市で歯医者をお探しなら「歯科ハミール本院」
名鉄「住吉町駅」より徒歩1分の歯医者
当院、医療法人歯科ハミールの分院も、今後共よろしくお願いいたします。
この記事を監修した人

歯科ハミール本院 院長 赤崎 絢
所属学会
略歴
