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2025/12/03

歯の下が痛いのに虫歯じゃない?考えられる5つの原因と対処法

歯の下がズキッと痛むのに、鏡をのぞいても虫歯らしい穴が見当たらない——そのような状況に戸惑う方は少なくないでしょう。

痛みには、歯ぐきの炎症や無意識の噛みしめ、奥歯の負担、親知らずの圧迫や鼻まわりの不調など、虫歯以外にもさまざまな原因が考えられます。

本記事では、歯の下が痛くなる代表的な5つの理由と、今日からできる対処法、受診のタイミングをわかりやすく紹介します。

まずは原因を知るところから始めましょう。

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虫歯じゃないのに歯の下が痛いときに考えられる5つの原因

歯の下が痛く、頬を押さえている女性の写真。虫歯以外の原因で痛みが出ているイメージ。

歯の下に痛みを感じる場合、その背景にはいくつかの共通した特徴があります。

歯ぐき周辺の炎症・噛みしめによる根元への圧力・奥歯への局所的な負担・親知らずの圧迫・鼻まわりの不調に伴う関連痛など、痛みの性質によって疑われる原因は異なります

症状の出方には一定の傾向があるため、まずは代表的な5つの要因を整理して確認していきましょう。

① 歯ぐきに軽い炎症が起きている場合

歯ぐきに赤みや軽い腫れが出ていると、歯の根元のあたりにじわっとした痛みを感じることがあります。

磨き残しが続いたことで細菌が増え、歯ぐきが刺激に敏感になっていることが要因です。

歯そのものよりも、歯ぐきのきわや根元付近に違和感が広がるときは、この炎症が関係していることが少なくありません。

こうした軽い炎症でも放置すると症状が強まり、痛みが出たり引いたりをくり返すようになります。

② ストレスや食いしばりで歯の根元が押されている場合

強い痛みではなく、重だるい感覚が続くときは、無意識の食いしばりや噛みしめが影響していることがあります。

仕事中や睡眠中に長時間歯を強く当て続けると、歯の根元に負担がかかり、周囲の組織が圧迫されて痛みが出やすくなります。

虫歯がないのに違和感が続く方のなかには、この噛みしめが背景にあるケースが少なくありません。

気付かないうちに力が入り続けるため、痛みが慢性的にくり返される点が特徴です。

③ 奥歯の根元が痛むときに出やすい場所のサイン

奥歯の根元に違和感が出る場合は、痛みが起こる位置に特徴が現れます。

外側がピリッと痛む、内側に深い重さを感じる、噛んだときだけ根元にズキッと響くなど、場所によって痛みの出方が異なります。

奥歯は汚れが溜まりやすいうえに、噛む力も集中しやすいため、周囲の組織が敏感になりやすいのが特徴です。

痛む範囲が狭く、特定の場所だけ違和感を覚えるときは、奥歯まわりに負担がかかっている可能性が高いでしょう。

④ 親知らずが奥の歯を押して痛みが出る場合

親知らずが横向きや斜めに生えている場合、手前の奥歯を押しながら成長することで痛みが出るケースがあります。

特に、親知らずが歯ぐきの中に半分埋まったままの状態では、見えない部分で圧迫が続き、歯の下のほうにズーンと響くような痛みが広がる点が特徴です。

このような圧迫が続くと、奥のほうが噛みにくくなる、口が開けにくいといった変化が現れます。

違和感をくり返すときは、親知らずが関わっている可能性を念頭に置いておきましょう。

⑤ 鼻の下あたりが痛いときに起こる関連痛

風邪や鼻づまりが続くと、鼻の奥にある空洞(副鼻腔)に炎症が起こり、歯の根元に近い部分へ重さや鈍い痛みとして広がることがあります。

歯を押しても鋭い痛みが出ず、ほほの奥や鼻の下あたりがじんわりと重く感じるときは、この関連痛に当てはまる可能性が高いでしょう。

鼻まわりの不調に合わせて歯の痛みも同時に出るのが特徴で、歯そのものには異常がないケースが一般的です。

関連記事:歯の神経が痛い!虫歯がないのにズキズキする原因と治し方

今すぐできる2つの対処法と悪化を防ぐコツ

歯や頬を指で示している女性の写真。歯の痛みを和らげるセルフケアをイメージした画像。

歯の下が痛むときは、原因が特定できていなくても、その場でできる小さな工夫だけで症状を軽くできます。

痛む部分を無理に触ったり、片側ばかりで噛み続けたりすると刺激が募ってしまうため、まずは負担を減らしましょう。

以下では、自宅で取り入れやすい対処法と、避けておきたい行動についてわかりやすく紹介します。

自宅でできる応急処置

急に痛みが強まったときは、ほおを軽く冷やすだけでも炎症の広がりを抑えられます。

強く押し当てる必要はありません。冷たいタオルや保冷剤をそっと当てるだけで、血のめぐりが落ち着き、痛みがやわらぎます。

食事はやわらかいものを選ぶと刺激が少なく、無理なく過ごせるでしょう。

必要に応じて、市販の痛み止めを用法どおりに使用することも、一時的な対処として効果的です。

痛みを悪化させないために避けたい行動

痛みを早くやわらげたいからといって、強くうがいをしたり、患部を舌で何度も触ったりすると、かえって刺激が加わり痛みが強まります

また、熱い飲み物や長時間の入浴は血のめぐりを高め、痛みを誘発しやすくなるため注意が必要です。

なるべく静かに過ごし、歯ぐきやあごに余計な負担がかからないようにすれば、悪化を防げるでしょう。

関連記事:歯が痛いときの応急処置7選と市販薬の正しい選び方

歯の下が痛いときの受診すべき2つのタイミング

歯の痛みを訴える女性が歯科医院で相談している様子の写真。

歯の下の痛みは、原因によっては時間とともに落ち着くことがありますが、放置すると悪化してしまうケースも見られます。

どの程度なら様子を見られ、どの段階で歯科医院を受診すべきかを知っておくと、必要以上に心配せず適切に対処できるでしょう。

本章では、受診の判断に役立つ2つの目安を紹介します。

今すぐ受診したほうがよい症状

痛みが数日続いている、夜眠れないほどズキズキする、歯ぐきが明らかに腫れているなどの症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

噛むだけで強い痛みが走る、顔の片側に違和感が広がるといった状態も炎症が進行している可能性があり、注意が必要です。

特に、親知らずのまわりが大きく腫れている場合や、触れていなくても脈打つような痛みが続くときは、放置すると悪化しやすく、早期の診察が望まれます。

様子を見てもよいケースの目安

痛みが一時的で弱く、翌日には落ち着いている場合は、しばらく様子を見ても問題ないでしょう。

また、硬いものを噛んだときだけ少し痛む程度や、疲れた日の夜だけ軽く違和感が出る場合も、過度に心配しなくて大丈夫です。

ただし、症状が続いたり、痛みが強くなったりする場合は早めの受診が安心につながります。

軽い痛みでも繰り返すときは何かしらの原因が隠れていることが少なくないため、無理に我慢せず、歯科医師に診てもらうことが大切です。

関連記事:歯が痛い すぐに歯医者に行けない人のための応急ケアと受診目安6選

痛みをくり返さないための2つの生活習慣

鏡を見ながら口元をチェックしている女性の写真。歯や口まわりのセルフケアを意識した生活習慣のイメージ。

日々の習慣が、歯の下の痛みに影響していることがあります。普段の生活で歯や歯ぐきに余計な負担をかけない意識を持つと、痛みの再発を防ぎ、トラブルの予防にもつながります。

今日から取り入れられる2つの習慣を見ていきましょう。

日常で負担を減らすコツ

まず取り入れたいのが、歯にかかる負担を少しずつ減らす工夫です。

食事では硬いものばかりを噛み続けないようにしましょう。左右でバランスよく噛む習慣をつけると、特定の歯に負担が集中するのを防げます。

また、歯ブラシの力が強すぎると歯ぐきを傷つけ、痛みの原因になります。軽いタッチで磨くことを意識し、歯ブラシは毛先が開く前に交換しましょう。

こうした小さな工夫が、歯ぐきへの刺激を減らし、痛みの予防につながります。

ストレスやクセを見直す習慣

無意識の食いしばりは、歯の根元に痛みを引き起こす原因の一つです。

作業中に歯を噛みしめていないかを意識し、気付いたときには力を抜く習慣をつけるだけでも負担は軽くなります。

ストレスがたまると噛みしめが強くなるため、深呼吸を取り入れたり、短い休憩を挟んだりして気分を整えるのも効果的です。

寝ている間の噛みしめが疑われる場合は、歯科医院で相談するとよいでしょう。マウスピースなど、負担をやわらげるための方法が提案されることがあります。

関連記事:舌で歯を押すと痛いときの原因3つと自宅でできる応急ケア

放置すると起こりやすい2つのトラブル

注意を促すように手を前に出している女性の写真。歯の痛みを放置した際のトラブルを警告するイメージ。

痛みは、一時的に落ち着くことがあります。しかし、原因が何であっても、痛みをそのままにしておくと思わぬトラブルにつながることがあります。

ここでは、放置した場合に起こりやすい2つのリスクを紹介します。

痛みが強くなるリスク

初めは軽い違和感だけでも、炎症や負担が積み重なることで痛みが強くなるケースがあります。

歯ぐきの腫れが広がったり、噛んだときの痛みが鋭くなったりすると、日常生活にも影響が出るでしょう。

特に、親知らずが原因の場合は奥深くで炎症が進みやすく、一時的に痛みが引いても再発しやすい点が特徴です。

早い段階で専門的なケアを受ければ、痛みの悪化を防げるでしょう。

炎症やあごの負担が広がるリスク

痛みを無理に我慢し続けると、周囲の組織に負担が広がり、歯ぐきやあごまわりまで違和感が及びます。

ストレスによる噛みしめが続くと、筋肉がこわばって頭痛や顔の重だるさにつながるケースも珍しくありません。

また、副鼻腔の炎症が関係している場合は、歯の痛みだけでなく鼻やほほの不調が長引くこともあります。早めに状態を確かめてもらうと安心です。

歯医者で行われる2つの主な治療の流れ

歯のレントゲン画像を指しながら説明する歯科スタッフの写真。治療の流れをイメージしたシーン。

歯の下の痛みは、原因によって必要な治療が大きく異なります。

歯科医院では痛みのもとを正確に調べ、状態に合わせた処置を行います。どのような流れで診療が進むのかを知っておくと、受診への不安がやわらぎ、相談もしやすくなるでしょう。

痛みの原因を調べるための検査

歯科医院で最初に行われるのは、痛みの場所や広がりを確認するための視診や触診です。

歯ぐきの状態や歯の揺れ、押したときの反応などを確かめながら、どの部分に負担がかかっているのかを判断します。

虫歯以外の痛みは表面だけではわからないため、必要に応じてレントゲンを撮影し、歯の根元や親知らず、副鼻腔との位置関係などを確認します。

状況に合わせた治療と対処の方法

検査で原因がわかったあとは、その結果に応じて治療が進められます。

炎症を抑える処置やクリーニング、噛み合わせの調整、親知らずへの対応、必要に応じた薬の処方などが一般的です。

歯ぐきの炎症が原因であれば、汚れを取り除くだけで症状が落ち着くこともあります。

一方で、食いしばりが影響している場合は、マウスピースを使って負担を軽くする方法が提案されます。

親知らずが奥で押しているケースや、副鼻腔の炎症が関連している場合は、それぞれの症状に合わせた治療が必要です。痛みを根本から改善するためのサポートが行われます。

まとめ|歯の下が痛むときは原因を知り早めに対処しよう

手の上にイラストの歯が浮かんでいる写真。歯の健康やケアのまとめをイメージした画像。

歯の下の痛みは、虫歯だけが原因とは限りません。

歯ぐきの炎症や食いしばり、奥歯の負担、親知らず、鼻まわりの不調など、さまざまな理由で起こります。

原因によって対処法や治療の必要性が変わるため、痛みの出方や続き方を観察しながら、心配なサインがあれば早めに歯科へ相談することが大切です。

自宅でのケアや生活習慣の見直しで落ち着くケースもあります。

しかし、痛みが長引く・強まる・腫れを伴うといった症状がある場合は、早めに専門的な診察を受けることが大切です。適切な治療につながり、悪化を防ぎやすくなります。

早めの判断と適切なケアが、将来のトラブル予防にもつながるでしょう。

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