「歯がズキズキして眠れないほど痛い……。ひどい虫歯で抜歯が必要と言われたけれど、どのくらい痛いのか怖くて迷っている。」そう感じる方も少なくありません。
抜歯の痛みは麻酔の効き方や抜く歯の状態によって変わりますが、正しい知識とケアをすれば痛みを最小限に抑えられます。
この記事では、抜歯の流れや痛みのピーク、痛みをやわらげる5つのコツ、さらに抜歯後の生活で気をつけたいポイントをわかりやすく紹介します。
目次
ひどい虫歯は抜歯が必要?治療で残せるケースとの違い

歯医者で「抜歯が必要です」と言われると、思わず不安になりますよね。けれども、虫歯がどの程度進行しているかによっては、歯を残せることもあります。
ここでは、抜歯が必要になる状態と、治療で残せるケースの違いを見ていきましょう。
どんな状態になると抜歯が必要になるのか
虫歯が進行すると、歯の表面だけでなく内側の神経や根の部分まで細菌が広がっていきます。
また、歯の根が割れていたり、支えている骨が大きく溶けていたりする場合も、抜歯が選択されることがあります。
こうした状態になる前に治療を受けることが、歯を守るための大切なポイントです。
痛みや違和感を感じても我慢してしまうと、抜歯以外の選択肢がなくなることもあります。早めの受診を心がけましょう。
抜かずに治せるケースとは?
虫歯が歯の表面や神経の一部までにとどまっている場合は、根管治療(神経を取り除く治療)や被せ物の処置で歯を残せることがあります。
歯の根がしっかりしていて、炎症が広がっていないかどうかが大きなポイントです。
こうした条件を満たしていれば、歯科医師はできるだけ抜かずに治療を行います。
ただし、治療後の再発を防ぐためには、正しいブラッシングと定期検診が欠かせません。
虫歯を繰り返すと歯の寿命が短くなり、最終的には抜歯が必要になることもあります。日頃のケアが何よりの予防策です。
抜歯を判断する前に確認しておきたいこと
「できるだけ歯を残したい」と思ったら、まずは歯科医師に歯を残せる可能性があるかを相談してみましょう。
レントゲンで根の状態や骨の支えを詳しく調べることで、保存治療が可能かどうかを判断できます。
また、別の歯科医院でセカンドオピニオンを受けるのも一つの選択です。同じ状態でも治療方針が異なることは珍しくありません。
複数の意見を聞くことで、納得して治療を進められるでしょう。
関連記事:抜歯しないといけない歯を放置したら…10年後の怖いリスク
抜歯はどのくらい痛い?麻酔・手順・痛みのピークを解説

抜歯と聞くと、痛みや怖さをイメージする方も多いのではないでしょうか。確かに、治療の内容がわからないままでは不安になってしまいます。
しかし、麻酔の仕組みや治療の流れを知っておけば、痛みへの恐怖を和らげられます。
抜歯の手順や痛みのピーク、治療中と治療後の違いについてわかりやすく解説します。
抜歯の流れと所要時間
抜歯の手順は、まず歯ぐきや骨の状態を確認するところから始まります。麻酔をかけて痛みを感じなくしたあと、歯を少しずつ動かしながら丁寧に抜いていきます。
所要時間は1本あたり15〜30分ほどが一般的です。
ただし、根が深い歯や斜めに生えている歯の場合は、歯を分割して取り出すことがあり、その分だけ処置に時間がかかります。
それでも、多くのケースでは1時間以内に終わるため、想像より短く感じる方がほとんどです。1本あたり15〜30分ほどが一般的です。
麻酔の痛みと効き方の目安
麻酔は、細い針を使って歯ぐきにゆっくり薬を注入します。
はじめに表面麻酔でしびれさせてから行うため、チクッとした刺激があっても強い痛みを感じることはほとんどありません。
麻酔が効くまでには数分ほどかかりますが、治療中に痛みが出ないよう、十分に効いていることを確認してから処置を進めます。
もし途中で痛みや違和感があっても、すぐに追加の麻酔をしてもらえるため、我慢する必要はありません。
処置後は1〜2時間ほど頬や唇にしびれが残りますが、時間とともに自然に回復します。
抜歯中・抜歯後の痛みの違い
抜歯中は麻酔がしっかり効いているため、痛みを感じることはほとんどありません。
ただし、歯を押したり動かすときに「グッ」と圧力を感じることがあります。これは痛みではなく、歯が動くときの感覚です。
一方で、麻酔が切れたあとは軽い痛みやズキズキとした違和感が出ることがあります。特に抜歯後2〜3時間が痛みのピークで、夜になると腫れを伴う場合もあるでしょう。
多くの方は翌日には痛みが落ち着き、2〜3日で違和感も少なくなります。
処方された痛み止めを服用すれば、日常生活に支障をきたすほどの痛みになることはほとんどありません。
関連記事:親知らず抜歯にかかる実際の時間|親知らずを放置した時のリスクも解説
抜歯後の痛みはいつまで続く?腫れや出血の目安

抜歯を終えたあと、「この痛みはいつまで続くのだろう」と不安に感じる方も多いでしょう。
痛みや腫れにはピークの時期と回復の目安があり、それを知っておくことで落ち着いて過ごすことができます。
本章では、抜歯後に起こる身体の変化や注意点をわかりやすく解説します。回復の流れを理解して、安心してケアを進めていきましょう。
抜歯後の痛みが強くなる時期と治まるまでの期間
抜歯直後は麻酔が効いているため、痛みをほとんど感じません。しかし、抜歯後数時間で麻酔が切れてくると、ズキズキとした痛みが出てきます。
痛みのピークは、抜歯後6〜12時間ほどです。その後は1〜3日かけて徐々に落ち着き、4〜5日目には違和感程度まで軽くなることが一般的です。
ただし、親知らずの抜歯や骨を削った場合は、腫れや痛みが1週間ほど続くこともあります。
処方された痛み止めは指示に従って服用し、自己判断でやめないことが回復を早めるポイントです。
腫れや出血の程度と注意点
抜歯後は、身体が傷を治そうとして血がにじんだり、頬が少し腫れたりします。これは自然な反応で、多くの場合2〜3日で落ち着きます。
腫れが出る場合は2〜3日目が最も強くなりやすいと言われていますが、時間の経過とともに少しずつ引いていくのが一般的です。
出血が続く場合は、清潔なガーゼを軽く噛んで10〜20分ほど圧迫すると、血が止まりやすくなります。
それでも止まりにくいときや、いったん治まった出血が再び増える場合には、早めに歯科医院へ相談がしましょう。
また、強いうがいをすると血のかたまり(血餅)が取れてしまい、治りが遅れる原因になります。
抜歯後24時間は、うがい・飲酒・喫煙を控えると回復しやすい傾向があります。
痛みが長引くときに考えられる原因
抜歯後3日以上たってもズキズキする痛みが続く場合は、ドライソケットと呼ばれる状態になっている可能性があります。
これは、傷口の血がうまく固まらず、骨がむき出しになってしまう症状です。強い痛みが続いたり、口臭を感じたりする場合は、放置せずに歯科医院を受診しましょう。
また、抜歯した部分に食べ物が詰まって炎症を起こすこともあります。自分で無理にかき出そうとせず、歯科医院での洗浄や処置を受けるのが安全です。
関連記事:親知らず抜歯後にやってはいけないこと7選|抜歯後におすすめの食事も紹介
痛みをやわらげる方法と早く治すためのコツ

抜歯後の痛みがつらいときは、少しでも早く楽になりたいと感じるでしょう。痛みをやわらげて回復を早めるための方法はいくつかあります。
ここでは、自宅でできるケアのコツから、治りを早める生活習慣、避けたほうがよい行動までをわかりやすく紹介します。
自宅でできる痛み対策(冷やす・薬を飲む)
抜歯後の痛みを抑えるには、指示された鎮痛薬を正しく使うことが大切です。痛みが強くなってから飲むより、麻酔が切れる前や軽い違和感のうちに服用したほうが効果的です。
また、腫れがある場合は頬の外側を冷やすことで炎症を抑えられます。
氷を直接当てず、清潔なタオルに包んで10〜15分冷やしたら少し休む——このサイクルを繰り返しましょう。
冷やしすぎると血流が悪くなって治りが遅れることもあるため、冷却は適度に行うよう注意が必要です。
治りを早める生活習慣のポイント
抜歯後の回復を早めるには、身体の免疫力を高めることが欠かせません。
十分な睡眠をとり、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。特に、ビタミンCやタンパク質は傷の修復に役立ちます。
また、抜歯した部分は清潔に保つ必要がありますが、当日は強いうがいや歯ブラシでの刺激は避けましょう。翌日以降は、やさしく口をすすいで清潔を保ちます。
さらに、タバコやお酒は血のめぐりを悪くして治りを遅らせる原因になります。最低でも2〜3日は控えることが望ましいでしょう。
やってはいけない行動・悪化させる習慣
抜歯後に血のかたまりが取れてしまうと、痛みが長引く原因になります。強いうがいやストローで飲み物を吸う動作は避けましょう。
また、熱いお風呂や激しい運動も血流が急に良くなり、出血が再発するおそれがあります。身体を温めすぎず、安静に過ごすことが大切です。
さらに、違和感があるとつい触れたくなることがありますが、舌や指が触れると細菌が入り、炎症につながるおそれがあります。
できる範囲で刺激を避けることが回復の助けになります。
抜歯後の治療法|ブリッジ・入れ歯・インプラントの違い

歯を抜いたあと、「このまま放っておいても大丈夫かな」と不安に思う方も少なくありません。
しかし、抜歯後に何もせず放置すると、かみ合わせのズレや歯並びの乱れなど、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。
抜歯後に歯を補う代表的な3つの治療法であるブリッジ、入れ歯、インプラントについて、それぞれの特徴や違いをわかりやすく解説します。
それぞれの特徴と選び方
抜歯後の代表的な治療法には、ブリッジ・入れ歯・インプラントがあります。
ブリッジは、抜いた歯の両隣を削って橋のように人工歯をかける方法です。固定式で違和感が少ない一方、健康な歯を削る必要があります。
入れ歯は取り外しができるため、手入れがしやすい反面、装着感や安定性に個人差があります。
インプラントは人工の歯根をあごの骨に埋め込む治療で、見た目や噛む力が自然に近い点が大きな特徴です。
外科手術が必要になりますが、長期的に安定した治療法といえるでしょう。
費用・見た目・通院回数の違い
ブリッジや入れ歯は、保険が適用される場合があり、費用を抑えやすい治療法です。
保険外の素材(セラミックなど)を選ぶと見た目がより自然になりますが、その分費用は高くなります。
一方、インプラントは自由診療で、1本あたり30万円前後が一般的な相場です。手術後の経過観察を含めると、治療期間は数か月に及びます。
見た目や噛む感覚を重視する場合はインプラントを、費用や治療期間を抑えたい場合はブリッジや入れ歯を選ぶなど、目的に合わせて検討することが大切です。
放置した場合に起こるトラブル
抜歯したあとに何も入れないまま放置すると、歯が動いてすき間が広がったり、かみ合わせがずれたりします。
その結果、食べ物が噛みにくくなるだけでなく、あごの関節に負担がかかるおそれもあります。
空いた部分の骨が少しずつ減っていくため、後からインプラントを入れようとしても、骨の量が足りず追加の手術が必要になるケースも少なくありません。
抜歯後は、できるだけ早く治療計画を立てることが大切です。
適切な処置を行えば、見た目や噛む力を保ちつつ、快適な口腔環境を長く維持できるでしょう。
関連記事:抜歯後に歯を入れるまでどのくらいかかる?治療方法や仮歯の過ごし方を解説
虫歯を悪化させないための予防とセルフケアのポイント

抜歯を経験すると、「もう二度と同じ思いはしたくない」と感じる方も多いでしょう。
虫歯は、日々のケアを続けることで十分に予防が可能です。また、早期に見つけて治療を受ければ、抜歯せずに済むケースも少なくありません。
ここでは、毎日のセルフケアで虫歯の悪化を防ぐためのポイントを紹介します。
今日からできる習慣を見直し、健康な歯を長く守っていきましょう。
正しい歯みがきとデンタルフロスの使い方
虫歯を防ぐためには、毎日の歯みがきが欠かせません。力を入れすぎず、歯と歯ぐきの境目を小刻みに動かすようにして、丁寧に磨きましょう。
特に、奥歯や歯と歯の間は汚れが残りやすいため、デンタルフロスや歯間ブラシを併用するのがおすすめです。
デンタルフロスは歯と歯の間にそっと通し、歯の側面をなでるように動かします。強く引っ張ると歯ぐきを傷つけてしまうため、力加減に注意が必要です。
夜寝る前は、デンタルフロスと歯みがきをセットで行うことで、虫歯予防の効果をより高められます。
食生活と定期検診の大切さ
甘い飲み物やお菓子を頻繁にとると、口の中が酸性に傾き、虫歯菌が活発になります。間食の回数を減らし、水やお茶を中心にとるよう心がけることで、虫歯のリスクを大きく減らせます。
また、定期検診では虫歯の初期サインを早期に見つけられるほか、歯石除去やフッ素塗布によって予防効果を高められます。
自覚症状がなくても、3〜6か月に一度は歯科医院を受診し、口の健康を維持する習慣をつけましょう。
再発を防ぐ日常の工夫
一度治療した歯でも、ケアを怠ると再び虫歯になることがあります。
歯みがきのあとに鏡で仕上がりを確認し、磨き残しがないか意識するだけでも予防効果が高まります。
また、口が乾きやすい方は、唾液の分泌を促すガムを噛んだり、水分補給をこまめに行ったりするとよいでしょう。唾液には、口の中を中和して細菌の繁殖を抑える働きがあります。
日々の小さな習慣を積み重ねることで、健康な歯を長く保つことができます。
関連記事:【保存版】親知らず抜歯後にドライソケットにならないための5つの予防方法
まとめ|ひどい虫歯でも正しいケアで痛みを最小限に

ひどい虫歯で抜歯が必要になると、不安や恐怖を感じるのは自然なことです。しかし、麻酔の仕組みや治療の流れを理解しておくことで、実際の痛みは想像より軽く、落ち着いて治療を受けられます。
抜歯後の痛みや腫れには一定の経過があり、正しいケアを続ければ数日で楽になるケースがほとんどです。
冷やし方や食事の工夫、生活リズムを整えることを意識すれば、回復をさらに早められるでしょう。
また、抜歯後にそのまま放置せず、ブリッジやインプラントなどで歯を補うことも大切です。
見た目や噛む力を保ち、再発を防ぐためには、毎日のセルフケアと定期検診を欠かさないことが基本となります。
早めの受診と適切なケアを心がければ、ひどい虫歯の痛みも最小限に抑えられ、健康で美しい口元を取り戻せるでしょう。
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この記事を監修した人

歯科ハミール本院 院長 赤崎 絢
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