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2026/01/17

歯周病の本当の原因は?プラークだけではない生活習慣に潜むリスク

歯磨きのときに出血があったり、歯ぐきがムズムズしたりすると、大きな不安を感じますよね。

「毎日磨いているのに、なぜ悪くなるの?」

そう疑問に思うのは当然です。

歯周病は、単に口の中だけの問題ではありません。

実は、日々の生活習慣や体の状態が深く関係しています。

正しい原因を知れば、漠然とした恐怖は消え、今日からやるべき対策が見えてくるはずです。

ここでは、歯周病の直接的な原因と、悪化させる間接的な要因について、専門用語を使わずに解説します。

歯周病治療

歯周病を引き起こす最大の犯人は「プラーク」

結論からお伝えします。

歯周病の直接的な原因は、歯の表面に付着した「プラーク(歯垢)」です。

多くの人が誤解していますが、プラークは単なる食べかすではありません。

細菌が繁殖してできた「細菌の塊」です。

わずか1mgに1億個以上の細菌

プラーク1mgの中には、およそ1億個もの細菌が潜んでいます。

想像してみてください。

キッチンの排水溝にできるヌメリをイメージするとわかりやすいでしょう。

あのヌメリと同じような細菌の集合体(バイオフィルム)が、歯と歯ぐきの間で増殖しているのです。

この細菌が出す毒素が、歯ぐきに炎症を起こします。

体がその毒素と戦おうとして、歯ぐきが赤く腫れたり、出血したりする反応を示します。

これが歯周病の始まりです。

放置すると歯を支える骨が溶ける

プラークを放置すると、唾液中の成分と結びついて「歯石」になります。

歯石になると、歯ブラシでは取り除けません。

歯石の表面はザラザラしており、さらに細菌が溜まる温床となります。

炎症が続くと、体は細菌から身を守るために、自ら歯を支える骨を溶かして後退させます。

最終的に歯がグラグラになり、抜け落ちてしまうのです。

誰もが持っている?「環境」が細菌を暴れさせる

誰もが持っている?「環境」が細菌を暴れさせる

「細菌がいるなら、全員が重症化するの?」

そう思う方がいるかもしれません。

しかし、口の中に歯周病菌がいても、すべての人が発症するわけではありません。

細菌の活動を活発にしたり、体の抵抗力を弱めたりする「環境因子(リスクファクター)」が大きく関わっています。

以下の表に、歯周病を悪化させる主な要因をまとめました。

要因歯周病への影響具体的なリスク
喫煙血管を収縮させ、血流を悪くする酸素不足で菌が繁殖、薬が効かない
糖尿病体の防御機能を低下させる傷が治りにくい、重症化の速度が速い
ストレス免疫力を下げ、抵抗力を奪う歯ぎしりの原因、唾液の減少
食生活栄養バランスの乱れ歯ぐきの修復に必要な栄養が不足
薬の副作用歯ぐきの増殖を引き起こす歯ぐきが腫れ、プラークが溜まる

それぞれの要因について、詳しく見ていきましょう。

1. 喫煙は最大のリスクファクター

1. 喫煙は最大のリスクファクター

タバコは歯周病にとって、最も危険な要因の一つです。

喫煙者は非喫煙者に比べて、歯周病にかかるリスクが2倍から8倍も高くなるといわれています。

血管が縮まり、SOSサインが出ない

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯ぐきへの血流を悪くします。

すると、本来ならば炎症で赤く腫れたり出血したりするはずのSOSサインが出なくなります。

「出血しないから大丈夫」

そう思い込んでいる間に、内部で病気が静かに進行します。

気づいたときには手遅れになっているケースも少なくありません。

  • タバコが及ぼす悪影響
    • 白血球の機能が低下する
    • 歯ぐきが硬くなり出血しない
    • 治療しても治りが遅い

2. 糖尿病と歯周病の深い関係

2. 糖尿病と歯周病の深い関係

糖尿病と歯周病は、互いに悪影響を及ぼし合う関係にあります。

高血糖の状態が続くと、体の免疫機能が低下し、細菌への抵抗力が落ちます。

その結果、歯周病菌が増殖し、炎症が急激に広がるのです。

一方で、歯周病の炎症物質が血液に入り込むと、インスリンの働きを妨げ、血糖値を下げにくくします。

つまり、歯周病を治療すれば、糖尿病の数値が改善する可能性もあるのです。

医科と歯科、両方での連携が欠かせません。

3. ストレスと生活習慣の乱れ

「最近、仕事が忙しくて歯ぐきが腫れた」

そんな経験はありませんか?

過度なストレスは、自律神経のバランスを崩し、免疫力を低下させます。

体の抵抗力が落ちると、普段は抑え込まれている細菌が勢力を増し、一気に暴れ出します。

歯ぎしりや食いしばりの影響

ストレスは、無意識のうちに「歯ぎしり」や「食いしばり」を引き起こします。

歯に過度な力が加わると、歯を支える組織にダメージを与え、炎症を悪化させます。

  • ストレスが招く悪循環
    • 唾液が減り口が乾く
    • 歯ブラシがおろそかになる
    • 睡眠不足で修復が進まない

4. 口の中の環境要因

生活習慣だけでなく、口の中の状態そのものが原因となる場合もあります。

細菌が住み着きやすい環境を作ってしまうと、いくら磨いても追いつきません。

歯並びの悪さ

歯が重なっている部分は、歯ブラシの毛先が届きません。

磨き残しが必ず発生し、そこからプラークが溜まります。

矯正治療は見た目を良くするだけでなく、歯周病予防の観点からも有効です。

口呼吸(くちこきゅう)

鼻ではなく口で呼吸をする癖がある人は、口の中が常に乾燥します。

唾液には細菌を洗い流し、殺菌する作用があります。

乾燥すると唾液の恩恵を受けられず、細菌が繁殖し放題になってしまいます。

朝起きたときに口がカラカラに乾いている人は、注意してください。

就寝中に口呼吸になっている可能性があります。

不適合な被せ物

昔治療した銀歯や詰め物が合っていない場合も危険です。

歯と詰め物の間に段差や隙間があると、そこに汚れが入り込みます。

どんなに丁寧に磨いても汚れを取り除くのは不可能です。

歯科医院で調整し直すか、新しく作り直す必要があります。

女性ホルモンの変化も影響する

女性の場合、ライフステージごとにホルモンバランスが変化し、それが歯周病のリスクを高めます。

  • 思春期
    • ホルモンの増加で歯肉炎になる
    • 試験勉強などのストレスも重なる
  • 妊娠期
    • つわりで歯磨きができない
    • 特定の菌がホルモンを好み増殖する
  • 更年期
    • ホルモン減少で骨が弱くなる
    • 唾液が減少しドライマウスになる

特に妊娠中は「妊娠性歯肉炎」になり、早産や低体重児出産のリスクを高めると報告されています。

安定期に入ったら、一度検診を受けるよう心がけてください。

今日からできる原因除去のアプローチ

今日からできる原因除去のアプローチ

ここまで読めば、歯周病の原因が一つではないと理解できたはずです。

原因が複雑に絡み合っているからこそ、多角的なアプローチが必要です。

1. プラークコントロールの徹底

基本にして最大の対策は、毎日の歯磨きです。

ただ漫然と磨くのではなく、「汚れを落とす」という意識を持ってください。

  • 効果的なケアの手順
    • 歯と歯ぐきの境目を狙う
    • フロスや歯間ブラシを使う
    • 就寝前は特に丁寧に行う

歯ブラシだけでは、汚れの6割程度しか落ちません。

歯と歯の間にあるプラークを取り除くには、デンタルフロスや歯間ブラシの併用が必須です。

2. 生活習慣の見直し

細菌に負けない体を作ることも立派な治療です。

以下のポイントを意識してください。

  • 十分な睡眠をとり免疫を保つ
  • 禁煙にチャレンジする
  • 糖分のダラダラ食べを控える
  • 鼻呼吸を意識する

いきなりすべてを変えるのは難しいでしょう。

まずは「夜更かしを避ける」「おやつを決まった時間に食べる」といった小さな一歩から始めてみてください。

3. プロによる定期的なメンテナンス

自分自身のケアには限界があります。

歯周ポケットの奥深くに入り込んだ歯石やバイオフィルムは、歯科医院の専用器具でなければ除去できません。

3ヶ月に1回程度、定期検診に通ってください。

プロの手で汚れをリセットし、磨けていない場所の指導を受ける。

この繰り返しが、将来の歯を守ります。

赤崎院長の総評:原因を知れば怖くない

歯周病は、沈黙の病気(サイレントディジーズ)と呼ばれます。

痛みがないまま進行するため、気づいたときには手遅れになりがちです。

しかし、原因ははっきりしています。

「プラーク(細菌)」と「それを助長する生活習慣」です。

  • 本記事のポイント
    • 直接の原因はプラーク
    • 喫煙や糖尿病がリスクを高める
    • ストレスも免疫を下げて悪化させる
    • 自分磨きとプロケアの両立が必要

「もう手遅れかも」と諦める必要はありません。

原因を取り除けば、進行を食い止め、健康な状態を取り戻せます。

まずは今日の歯磨きから、一本一本丁寧に磨いてみてください。

そして、勇気を出して歯科医院のドアを叩きましょう。

その行動が、あなたの10年後、20年後の笑顔を守ります。

歯周病治療

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