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2025/10/07

親知らず抜歯後の穴は自然にふさがる?受診目安と対処方法を徹底解説

「親知らずの抜歯後、穴はいつふさがるの?」
「今の見た目は正常?食べかすはどう取ればいいの?」

親知らずの抜歯後の穴は自然にふさがります。

いつ治るのか不安ですよね?

正しいケアと受診目安を知れば不安は小さくなります。

この記事でわかる内容

  • 穴がふさがる目安(歯ぐき2〜4週/骨3〜6か月)
  • ケアの方法と受診のめやす
  • やってはダメな行動

この記事を読めば、今の症状の判断がしやすくなり、対処方法と受診の目安がわかるようになります。

最後まで読んでみてください。

ボタン30秒

親知らずを抜いた後の「穴」はいつふさがる?

穴いつふさがる

親知らずの抜歯後の穴では、まず歯ぐきが閉じます。

多くは2〜4週間で表面がふさがり、内部の骨は3〜6か月かけて固まります。

穴がふさがる目安を知っておきましょう。

歯ぐきは2〜4週間、骨は3〜6か月で固まっていく

親知らずを抜いた後は、歯ぐきが先に閉じ、その後に骨がゆっくり固まっていきます。

経過の流れを知っておくと、不安が小さくなります。

以下の目安に合わせて、やさしいケアを続けましょう。

時期口の中で起きる変化推奨されるケア
0〜3日血餅がフタになって保護強いうがいを避ける
4〜7日白い膜や肉芽で覆われる歯ブラシは周辺だけ軽く
2〜4週歯ぐきがほぼ閉じる食べかすは弱いうがいで除去
12〜16週骨の修復が内側で進む無理な洗浄を控える
3〜6か月骨の成熟が進む定期チェックで様子を確認

たとえば、2週間で見た目が落ち着いても、内部の骨は固まっている最中です。

焦らず血餅を守る行動を優先しましょう。

抜歯後1か月後の経過目安

抜歯後1か月後は重要な時期です。

経過が順調なら日常へ戻れますが、気になる症状が続く時は受診を検討してください。

下の表で見比べ、迷いを減らしましょう。

順調な状態の目安受診を考えるサイン
穴が浅くなり食べかすが減る出血が続く、にじみが止まらない
痛みが弱くなり鎮痛薬が不要拍動に合わせた強い痛み
口臭や金属味が軽くなる悪臭や膿のような白い排出
触らなければ気にならない触らなくてもズキズキする
仕事や食事がほぼ通常口が開きにくい、発熱が出る

たとえば、悪臭と拍動痛が同時に出た場合は受診を急いでください。

迷う時は電話で医療機関に相談し、指示をもらいましょう。

関連記事:【虫歯】口臭の原因と治し方|8つのポイントで徹底解説

参考:神奈川歯科医師会_歯とお口の基礎知識

親知らず抜歯後の穴の状態を見た目で判別

見た目で判別

見た目が変わると不安になりますよね。

見た目を手がかりに、正常な目安と注意すべき点を整理します。

見た目での見分け方

見た目は「色や痛み、におい、術後の日数」で判断します。

下の表を参考にして、当てはまる項目を確認してください。

見た目よくある原因あわせて見るポイント受診の目安
白いフィブリン膜
血餅の表面
痛みが弱い、においが少ない、術後〜1週間膿のにおいと発熱で受診
白い塊食べかす触らず弱いうがいで減る悪臭や腫れで受診
黒い乾いた血餅、着色痛み弱い、出血なし強い痛みや出血の再発で受診
プニプニ肉芽(治る途中)触ると出血が起こる出血が続く、悪臭で受診

たとえば、術後3日後の白い薄い膜は正常な範囲内です。

強いうがいで剥がすと治りが遅れます。

痛みが強い、悪臭が続く、膿の排出がある場合は早めに相談してください。

抜歯後の患部は触っていいのか?

基本は「触らない」が安全です。

血餅や肉芽は治るためのフタになります。

無理にいじると出血や痛みにつながります。

気になる場合は、下の基準で判断してください。

行為触ってOKの場面や条件NGの理由
周辺の歯みがき術後24時間以降、縫合部に当てない直接の刺激で出血の恐れ
弱いうがい食後に1〜2回、軽くすすぐ強い水流で血餅が外れる
低圧イリゲーター術後1〜2週、低圧で斜めから当てる高圧を直当てすると組織を傷つける
指や舌で触る常にNGばい菌が入る、血餅が外れる
楊枝やピンセットの使用常にNG創部を傷つける
ジェット強圧常にNG血餅流失、痛み悪化

たとえば、食べかすが縁に見える時は弱いうがいで様子を見てください。

直接の洗浄や器具での除去は避けましょう。

拍動痛や出血が続く、悪臭が強い場合は受診してください。

放置リスクと口臭や金属味の対策

放置すると、臭いの増加や炎症悪化につながります。

残渣の停滞で細菌が増え、血餅が不安定になるためです。

外出先では一口すすぎを10秒×2回、無香料タブレットの使用で乾燥を防ぎます。

食後の弱いうがい、就寝前の周辺ブラッシングでは、舌を奥から手前へ軽く掃きます。

朝の金属味は乾燥の影響が多いです。

悪臭が強い、膿の排出や拍動痛などが出た場合は受診が優先です。

無理な洗浄より、低刺激ケアと早めの相談が安心につながります。

参考:日本臨床口腔病理学会_抜歯創の治癒

親知らず抜歯後のセルフケアと食べかすへの対処

セルフケア

抜歯後は血餅を守るのが最優先です。

外出先は短時間でやさしく、自宅は低刺激で丁寧に清潔な状態を保ちます。

無理な洗浄は避け、受診のめやすも意識します。

外出時、自宅でのケア

外出先では短時間のケアが安全です。

強い刺激で血餅が外れると回復が遅れるかもしれません。

ペットボトルの水を一口ふくみ、頭をやや前へ傾けます。

創部へ水流を当てず、ほほを軽く動かし10秒×2回のすすぎをおこないます。

紙コップがあれば、口角から静かに吐き出しましょう。

ガムやタブレットの使用で唾液を保ち、乾燥を避けます。

自宅ケアは、ぬるま湯または薄い食塩水で弱いうがいを10秒×2回おこないます。

縫合部に当てず、周辺だけ小さな動きでブラッシングしてください。

低圧イリゲーターの使用は術後1〜2週からが目安です。

直当てや高圧での使用は避けてください。

短時間でも血餅を守る意識が早期回復のコツです。

詰まりへの段階的な除去

詰まり対処は段階的に進めると安全です。

最小限の刺激で落ちるものが多いからです。

まずは食後に10秒×2回、創部へ直流を当てないすすぎ方でうがいをします。

次に、低圧洗浄で術後1〜2週間後から、ぬるま湯をシリンジで45度に当て、縁から外へ流します。

拍動痛や悪臭、膿の排出、出血の再発などの症状が出た場合は医療機関の受診を検討してください。

無理にかき出すより、結果として治癒が安定します。

活動再開の目安

活動再開の基準は「痛みゼロが48時間続く」「出血がぶり返さない」です。

日数より症状で判断します。

迷う時は弱い負荷から始め、変化が出たら中止してください。

運動や入浴、サウナ、飲酒や喫煙

再開の目安は、血流の上昇で出血が再発するかどうかです。

痛みが続く間や出血がある間は延期してください。

目安は以下のとおりです。

  • 運動:歩行運動は軽めに。筋トレやランニングは痛みゼロが48時間継続で再開。
  • 入浴:当日は短時間シャワー。湯船は24〜48時間後にぬるま湯で再開。
  • サウナ:1週間見送り。患部の違和感がなくなれば短時間から再開。
  • 飲酒:48〜72時間後、出血なし、鎮痛薬不要になれば少量から再開。
  • 喫煙:血餅が外れやすいので最低72時間中止。可能なら1週間禁煙。

再開後に拍動痛や出血、腫れなどの症状が出たら中止し、様子を見ずに医療機関に相談してください。

性行為やキス、飛行機の使用、仕事復帰

安全な目安は以下のとおりです。

  • 性行為:3〜7日待機。痛みゼロが48時間継続で再開。
  • キス:3〜5日待機。強い吸引は避ける。
  • 飛行機:48〜72時間後、出血なしかつ痛みがない状態で利用可能。
  • 仕事復帰:デスクワークは翌日からが目安。重作業は48〜72時間後に再開。

痛みゼロが48時間継続、出血の再発がない状態を確認してから活動を再開します。

悪臭や膿、口が開きにくい場合は医療機関を受診してください。

関連記事:親知らず抜歯後にやってはいけないこと7選|抜歯後におすすめの食事も紹介

親知らず抜歯後の受診の判断

目安

受診を迷ったら痛みや出血、におい、口が開きにくいかを目安に判断してください。

今すぐの受診が推奨される症状

次のいずれかの症状があれば、今すぐ受診してください。

全身や骨へ広がる恐れがあり、早めの対応が安全です。

  • 患部圧迫後20〜30分でも出血が止まらない
  • 38℃前後の発熱や悪寒
  • 強い悪臭やズキズキする拍動痛
  • 口が開きにくく、つばが飲みにくい

たとえば、悪臭と拍動痛が同時に出た時は、夜間でも医療機関の受診を検討しましょう。

上記の症状が該当する場合は、自宅ケアを続けず、受診を最優先にしてください。

近日中の受診が推奨される症状

早めの受診が望ましい目安は以下のとおりです。

  • 1〜2週間で穴の深さや直径がほぼ変わらない
  • 黄白色のどろっとした膿の排出が続く
  • 強いにおいが朝だけでなく日中も残る
  • 鎮痛薬が切れるたび強い痛みへ逆戻りする

症状をメモにまとめ、受診時に見せると診察がスムーズです。

様子見でよい症状

経過観察でよい目安です。

  • 白い薄膜が見えるが痛みは弱い
  • にじむ出血が短時間で止まる
  • 日ごとにズキズキした痛みが軽くなる
  • 穴が少しずつ浅くなり、食べかすが減る

たとえば、術後3日で白い膜があり、においが弱く、発熱もないなら多くの場合は正常です。

弱いうがいと周辺ブラッシングを続け、症状が悪化した場合だけ受診を検討してください。

【まとめ】不安を減らし、安全に治すために

最後にもう一度、内容を整理します。

  • 親知らずの抜歯後の穴は、歯ぐきは2〜4週、骨は3〜6か月で回復が進む
  • 見た目では色や痛み、におい、継続日数で判別
  • 外出先や自宅での低刺激でのケアが基本
  • 再開の目安は「痛みゼロ48時間継続、出血再発なし」、無理は禁物
  • 受診ラインは「今すぐ」「近日」「様子見」の三段階で判断

今日から、弱いうがいと患部周辺のブラッシングを実践しましょう。

悪臭や拍動痛、持続出血が出たら受診を最優先にしてください。

正しい判断の目安の理解と対処方法で不安を小さくできます。

あなたの回復が順調に進み、いつもの生活に早く戻れますように願っています。

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