「なんだか口臭が気になる…なぜ?どうしたらいい?」
そう不安に思ったことはありませんか?
口臭の主な原因は舌苔(ぜったい)ですが、歯周病や虫歯も大きな要因として知られています。
厚生労働省の調査では、35〜44歳の約95%が虫歯を経験していると報告されており、誰にとっても身近な悩みです。虫歯が進行すると匂いが強まって、日常生活に支障が出ることもあります。
この記事では、虫歯と口臭の関係やセルフチェック法、治療・応急対策、予防習慣まで、8つのポイントでわかりやすく解説します。
目次
虫歯による口臭が起こる2つの原因

日本歯科医師会の報告によると、口臭の約9割はお口の中に原因があるといわれています。その中でも虫歯は代表的な要因のひとつで、進行に伴って匂いが強くなります。
ここでは、虫歯による口臭が起こる2つの理由を見ていきましょう。
1. 虫歯が進むと匂いが出る理由
虫歯が進行すると小さな穴ができ、そこに食べかすや細菌がたまりやすくなります。残った食べかすは口の中で発酵したり腐ったりして、いやな匂いを生み出します。
2.神経や膿による強い口臭
虫歯がさらに進むと、細菌は神経にまで入り込み、内部が腐敗してしまいます。その結果、発生したガスが強い匂いとなり、口臭の悪化につながるのです。
さらに症状が進行すると、歯の根に膿がたまり、やがて口の中に漏れ出てくるでしょう。こうして生じる匂いは強烈で、周囲にも気づかれやすくなります。
ここまで悪化すると自然に治ることはなく、歯科での治療が欠かせません。
関連記事:親知らず抜歯後の口臭を改善する方法5選|抜歯後の注意点も紹介
虫歯の口臭の特徴と進行度・放置リスクの3つのポイント

虫歯による口臭はどんな匂いなのでしょうか。実は進行度によって匂いが変わり、放置すると歯や体の健康にも影響します。
ここでは匂いの特徴、進行のサイン、放置によるリスクを見ていきましょう。
匂いの種類と進行に伴う変化
虫歯初期のころは食べかすが発酵して「甘酸っぱいような発酵臭」を感じることがあります。
中期になると「生ごみのような匂い」と表現されることが多く、これは細菌の増加と食べかすの腐敗によるものです。
さらに重度になると歯の根に膿がたまり「膿が混じった強い匂い」が出てきてしまいます。
虫歯が危険なサインと進行度の目安
口臭が強くなるときは、虫歯が進んでいるサインです。
冷たいものや甘いものがしみるといった症状は、まだ虫歯初期の段階でしょう。
中期になると「噛むと痛む」「歯が黒ずんで穴が目立つ」ようになります。
さらに重度になると「強い口臭と続く痛み」を伴うことが多く、放置は危険です。
放置すると歯や健康に及ぶリスク
虫歯を放っておくと、悪化するのは口臭だけではありません。やがて歯を失う原因になるでしょう。さらに怖いのは、細菌が血液に入り込み、全身に悪影響を及ぼす可能性があることです。
とくに虫歯に歯周病が併発すると、口臭は一段と強くなります。歯周病は糖尿病や心臓病との関連が指摘されており、放置すればお口の問題にとどまらず、体全体の健康リスクへと広がってしまいます。
つまり、虫歯や歯周病をそのままにしておくことは、見過ごせない健康リスクにつながるのです。
関連記事:虫歯の進行速度はどのくらい?
虫歯による口臭を自分でチェックする2つの方法

「お口くさい」と言われたら、ショックですよね。実際に口臭があるのか、どの程度なのか、気になる方も多いでしょう。
ここでは、自分でできるセルフチェックの方法と、より正確に調べられる検査の方法を紹介します。
手のひらチェックと家族に聞く方法
もっとも手軽なのは、自分の息を手のひらにあてて匂いを確かめる方法です。ただし慣れてしまって自分では気づきにくいこともあります。
もう一つの方法は、家族や信頼できる人に思い切って聞いてみることです。周囲の人は自分より匂いに敏感なため、まだ軽い段階でも「少し匂うよ」と教えてくれるかもしれません。
どんなに清潔にしていても、口臭があると印象を損ねてしまいます。だからこそ、勇気を出して早めに確認しましょう。
口臭チェッカーや歯科医院での検査
最近は、市販の「口臭チェッカー」を使って、口臭の強さを数値で確かめられるようになりました。手軽に測れるので、日常のセルフケアの目安として役立ちます。
一方で、より正確に知りたい場合は、歯科医院での検査がおすすめです。専用の機械を使って口の中のガスを分析し、原因が虫歯や歯周病なのか、あるいは他の要因なのかを詳しく調べてくれます。
どちらの方法も「気づくきっかけ」になりますので、不安を感じたら早めに試してみると安心です。
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虫歯による口臭を治す2つの治療法

虫歯による口臭を解決するには、治療を受けるしかありません。ここでは、虫歯を削って詰め物や被せ物で治す方法と、神経まで細菌が及んだ場合に行う治療法について紹介します。
詰め物・被せ物で治す方法
虫歯が初期から中期の段階であれば、多くは詰め物で治療します。けれども削る範囲が広い場合や奥歯にできた場合には、被せ物を使うこともあります。
細菌の温床となる部分を取り除くことで、清潔で健康なお口に近づき、口臭も軽減されるでしょう。
神経まで進んだ場合の治療
強い口臭を伴うのは、虫歯が進行して歯の神経まで細菌が達したときです。さらに歯周病が併発すると、口臭は一段と強くなります。こうした場合には「根管治療」と呼ばれる神経の治療が必要です。
治療では歯の内部をきれいに清掃し、消毒したうえで薬剤を詰めて密封します。腐敗した組織や膿を取り除けるため、治療後は口臭が改善に向かい、息もすっきりと感じられるでしょう。
関連記事:虫歯のなりかけを放置するとどうなる?治療費と痛みを防ぐ対策4つ
虫歯の口臭を消す2つの対策(応急ケアと歯磨き粉)

外出先や仕事中など「今すぐなんとかしたい」という場面もありますよね。そんなときは、手軽にできる応急ケアや歯磨き粉の選び方が役立ちます。
ここでは、水分補給やガムなどの一時的な対策と、虫歯予防にもつながる歯磨き粉の活用法を紹介します。
水分補給・ガム・マウスウォッシュの応急ケア
唾液は口臭をやわらげる効果があります。口の中を洗い流し、細菌の繁殖を抑える働きがあるからです。こまめに水分をとることで唾液の分泌が促され、息の不快感をやわらげることにつながります。
さらに、キシリトール入りのガムを噛むと唾液がより出やすくなり、口臭対策に効果的です。外出先ではマウスウォッシュを使って口内の菌を一時的に減らすのもよいでしょう。
これらはあくまで応急ケアですが、人と会う前に取り入れることで、気にせず会話を楽しめます。
虫歯予防と口臭対策に効果的な歯磨き粉の選び方
毎日の歯磨き粉選びも、虫歯による口臭を防ぐうえで欠かせません。
虫歯予防を意識するなら、フッ素入りの歯磨き粉がおすすめです。フッ素は歯を強くし、再石灰化を促して虫歯の進行を防いでくれます。
一方で、口臭対策を重視するなら、殺菌成分(クロルヘキシジンなど)や消臭成分を含むタイプを選びましょう。さらに、歯周病や舌苔のケアにも対応できるタイプを選べば、口臭の原因を幅広くカバーできます。
虫歯と口臭を防ぐ2つの習慣

虫歯や口臭を繰り返さないためには、毎日の小さな工夫が大切です。ちょっとした習慣を取り入れるだけで、大きな予防効果につながります。
ここで紹介する2つのポイントは、どれも無理なく続けられるものなので、ぜひ生活の中に取り入れてみてください。
正しい歯磨きとデンタルフロス
歯磨きは1日2回以上が基本ですが、正しい磨き方を意識することが大切です。とくに歯と歯の間や奥歯の溝は汚れが残りやすく、虫歯や口臭の原因になってしまいます。
そこで役立つのがデンタルフロスです。歯ブラシだけでは落としきれない食べかすや歯垢も、デンタルフロスを使えばしっかり取り除けます。
歯磨きとデンタルフロスを組み合わせれば、口の中を清潔に保ちやすくなり、虫歯や口臭の予防につながるでしょう。
舌の清掃と食生活の工夫
口臭の原因としてよく挙げられるのが、舌に付着する舌苔です。専用の舌ブラシや柔らかい歯ブラシで優しく清掃すれば、細菌の繁殖を抑えることができます。
あわせて食生活の工夫も大切です。糖分をとりすぎないようにすることや、水分をこまめに補給することは虫歯予防につながります。さらに、よく噛んで食べる習慣を意識すれば唾液の分泌が促され、自然な口臭予防にも役立つでしょう。
関連記事:初期虫歯の黒い点を自分で治す!最新セルフケア完全ガイド【歯科医監修】
歯科医院で受けられる2つの予防ケア

セルフケアに歯科医院での予防ケアを組み合わせることで、より安心してお口の健康を守ることができます。
ここでは、歯科医院で受けられるクリーニングと定期検診の2つのポイントを紹介します。
歯科医院でのクリーニングで清潔に保つ
歯科医院では、歯磨きだけでは落としきれない歯石や着色汚れを、専用の器具できれいに除去してもらえます。歯石は細菌の温床になりやすく、口臭や歯周病の原因にもつながるため、定期的に取り除くことが大切です。
クリーニングを受けると歯の表面がつるつるになり、汚れが付きにくくなる効果もあります。そのため、虫歯や口臭の再発予防にも役立ちます。
歯科医院でのケアは見た目の清潔感を保つだけでなく、健康面でも心強いサポートになるでしょう。
半年ごとの検診で予防を強化
歯科検診は、最低でも半年に一度を目安に受けることが推奨されています。
検診では、虫歯の早期発見や、口臭の原因になりやすい歯周病のチェックが行われます。
とくに営業や接客など、人と接する機会が多い方にとって、口臭は印象を左右する大きな要因です。自信を持って会話できる状態を維持するためにも、定期検診は欠かせません。
まとめ 虫歯と口臭は早めの対策が重要

虫歯による口臭は、進行度によって匂いの特徴が変わり、放置するほど強くなってしまいます。初期の段階であれば簡単な治療で改善できますが、神経にまで進むと強い口臭を伴い、治療も大掛かりになるでしょう。
セルフチェックや応急ケアは役立ちますが、根本的な改善には歯科での治療が欠かせません。さらに、毎日の歯磨きやデンタルフロス、舌の清掃、食生活の工夫を習慣化することで、虫歯と口臭の予防につながります。
加えて、半年に一度の定期検診を習慣にすれば、安心して人と接することができます。
虫歯と口臭は誰にでも起こり得る身近な悩みです。
正しい知識と習慣、そして専門的なケアを取り入れれば、自信を持って会話できる快適な毎日を守れるでしょう。
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