「歯茎を押すとチクッと痛むのに、鏡で見ても腫れていない……」そんな違和感を覚えて、不安になったことはありませんか。
実は、見た目に異常がなくても、歯の根や歯茎の内部では炎症が進んでいることがあります。
放置すると痛みが強くなったり、歯の神経が弱ったりするおそれもあるため、早めの対処が大切です。
この記事では、歯茎を押すと痛いのに腫れていないときに考えられる5つの原因と、自宅でできる応急処置・受診の目安について、わかりやすく解説します。
目次
歯茎を押すと痛いのに腫れていないのはなぜ?

腫れていないのに痛みを感じると、「どこが悪いのだろう」と戸惑いますよね。
実は、歯茎の内部や歯の根のまわりなど、目に見えない場所で小さな炎症が起きていることがあります。
ここでは、腫れがなくても痛みが出る理由と、放置してはいけない理由を順に見ていきましょう。
腫れがなくても痛みが出るしくみ
歯茎が腫れていないのに押すと痛むときは、表面ではなく内部で炎症が起きている場合があります。
たとえば、歯の根のまわりや歯と歯のすき間など、肉眼では見えにくい場所が原因になっているケースも少なくありません。
また、歯ぎしりや食いしばりの癖があると、歯の根元や歯茎に強い圧力がかかり、炎症がなくても痛みを感じます。
「腫れていないから大丈夫」と自己判断せず、気になる痛みは早めに原因を確かめておきましょう。
痛みを放置してはいけない理由
痛みが軽くても、「そのうち治るだろう」と放置するのは危険です。
歯の根の周囲に細菌がたまると、やがて膿ができたり、神経が弱って痛みが一時的に引いたりすることもあります。
しかし、内部の炎症は静かに進行し、最終的に抜歯が必要になるケースも少なくありません。
痛みの原因が虫歯や歯周病の初期段階であれば、短期間の治療で改善できる可能性があります。
気になる症状は、そのままにせず早めに相談しましょう。
腫れていないのに痛むときに考えられる主な原因

歯茎に腫れがないのに痛みを感じると、「何が起きているのだろう」と不安になる方もいるでしょう。
表面に異常がなくても、見えない部分で小さなトラブルが進んでいる場合があります。
原因を理解しておくことで、早めの対処や治療の判断につながります。
以下では、腫れていないのに痛むときに考えられる主な原因を順に見ていきましょう。
歯と歯の間に汚れが詰まっている
歯と歯の間や歯茎の境目に食べかすや歯垢が溜まっていると、見た目に腫れがなくても痛みが出ることがあります。
特に、歯間ブラシやデンタルフロスを使わずに歯磨きを終えてしまうと、細菌が残りやすく炎症につながりやすい状態です。
最初は軽い違和感でも、放置すると歯茎が赤くなったり、出血したりと症状が進行してしまうこともあります。
日頃のケアに歯間ブラシやデンタルフロスを取り入れて、清潔な状態を保ちましょう。
小さな積み重ねが、不快な痛みの予防に役立ちます。
歯ぎしりや食いしばりによる負担
寝ている間や集中していると、無意識のうちに歯を強くかみしめてしまうことがあります。この状態が続くと、炎症がなくても歯茎の深い部分で痛みが出ます。
朝起きたときに歯や顎がだるい、歯の先端がすり減っている、肩こりがあるといった症状がある場合は、食いしばりのサインかもしれません。
放置せず、歯への負担を減らす工夫を取り入れていきましょう。
たとえば、就寝時にマウスピースを使うと、歯や顎への力を軽減しやすくなります。
神経や歯の根の炎症
歯茎に腫れがなくても押すと痛むときは、歯の内部で炎症が起きている可能性があります。
虫歯が進行して神経に近づいていたり、過去に治療した歯の根に細菌が入り込み、再び炎症を起こしていたりする状態です。
この場合、表面に変化がなくても、レントゲンで陰影が確認される場合があります。
放置すると痛みが強くなったり、顔が腫れたりすることもあるため、早めに受診して原因を確かめておきましょう。
隠れた虫歯や歯周病の初期サイン
一見健康に見える歯でも、歯と歯のすき間や奥歯の裏側など、見えにくい部分で虫歯が進行している場合があります。
特に歯石が多い人や、歯磨きで出血しやすい人は要注意です。
また、歯周病の初期段階では腫れが目立たず、歯茎を押したときだけ痛むケースもあります。
肉眼では気づきにくいトラブルほど進行しやすいため、定期的な歯科検診でチェックしておきましょう。
関連記事:歯茎を押すと痛いときの4つの原因と治療法|応急処置や受診の目安も解説
自宅でできる応急処置とケアのポイント

歯茎を押すと痛むのに、すぐ歯医者へ行けないこともあります。
そのような場面では、自宅でできる対処を行うことで、悪化を防ぎながら痛みをやわらげられることがあります。
まずは、状況に応じてできるケアを落ち着いて取り入れることが大切です。
痛みを和らげる基本のケア
まず意識したいのは、口の中を清潔に保つことです。痛む場所をゴシゴシ磨くと負担になるため、歯ブラシは軽く当て、全体を丁寧にケアします。
うがいは、汚れを流して細菌の増殖を抑える手助けになります。ぬるま湯を使うと刺激が少なく、痛みがあるときでも続けやすいでしょう。
頬の外側を冷やして熱を落ち着かせる方法も効果があります。保冷剤や濡らしたタオルを当て、数分おきに休憩を入れながら試してみてください。
どうしてもつらい場面では、市販の鎮痛薬が役立つこともあります。ただし、痛みを消しただけで原因は残っているため、再び症状はあらわれます。
無理をせず、痛みが続くときは早めに診察を受けておくと安心です。
やってはいけないNG行動
痛む部分を強く押したり、爪や歯ブラシの先で刺激したりすると、かえって負担が大きくなります。炎症が治りにくくなるため、触りすぎには注意が必要です。
また、「熱いお湯でうがいをすれば楽になる」といった民間療法も避けましょう。熱によって血流が増え、痛みが強まるおそれがあります。
さらに、痛みが続いているのに薬だけでごまかし続けるのも避けたい行動です。
一時的に落ち着いても原因が残っていれば悪化につながるため、早めに歯科医院へ相談することが大切です。
一時的な対処で済むケースとそうでないケース
歯茎に食べかすが詰まっているだけであれば、歯間ブラシやうがいで清潔にすることで自然に落ち着きます。
一方、痛みが数日続いたり、噛むとズキッとしたり、歯が浮くような感覚があるときは、内部で炎症が進んでいるサインです。
放置すると膿がたまったり、神経にダメージが出たりするおそれもあります。
軽い違和感であっても「いつもと違う」と感じたら、症状の変化を記録しておくとよいでしょう。
受診時に伝えることで、原因を特定しやすくなります。
関連記事:歯の痛みは神経が原因?ズキズキするときの原因と対処法を解説
放置するとどうなる?痛みが続くときのリスク

歯茎を押して痛いとき、腫れていないと「様子を見よう」と考えたくなるかもしれません。
けれど、内部では炎症や感染が進んでいることがあり、見た目だけでの判断は危険です。
痛みが続くときは、早い段階で対処することがリスクを防ぐことにつながります。
炎症が広がるリスク
腫れがなくても、歯の根や歯茎の内部で炎症が起きている場合があります。
この状態を放置すると、細菌が周囲の組織に広がり、やがて膿がたまる「歯根膿胞(しこんのうほう)」につながります。
膿が骨の中にまで広がると、顔が腫れたり、強い痛みが出たりすることもあるでしょう。
違和感だけのうちに対処しておくことで、治療の負担を減らせるため、早めの受診が安心です。
神経が弱る・歯がぐらつく可能性
痛みを感じている部分の神経や周囲の組織がダメージを受けると、徐々に神経の働きが弱まります。
神経が弱ると痛みが一時的に治まることがあります。しかし、その裏では感染が広がり、放置すれば歯を支える骨が溶けてしまうでしょう。
進行すると歯がぐらつき、最悪の場合は抜歯が必要になります。
痛みがなくなったからといって治ったとは限らないため、症状のサインを見逃さずに向き合うことが大切です。
早期対応で防げるトラブル
歯茎の痛みは、初期段階であれば比較的短期間の治療で改善できます。軽い炎症なら、クリーニングや抗生剤の処方だけで済むケースも珍しくありません。
しかし、痛みをがまんして放置すると、根管治療や抜歯など大がかりな処置が必要になる可能性があります。
早めに原因を見つけて対処すれば、治療の負担も軽く、再発の予防にもつながります。
関連記事:虫歯のなりかけを放置するとどうなる?治療費と痛みを防ぐ対策4つ
歯茎の痛みを防ぐために見直したい生活習慣

歯茎の痛みが繰り返されると、「また痛いの?」と不安に感じる方もいるでしょう。その原因の多くは、実は日々の生活習慣にあります。
普段のケアや食生活、ストレスの影響を見直すことで痛みの再発を防ぎ、健康な歯ぐきを保ちやすくなります。
ここでは、歯茎の痛みを予防するために意識したい生活習慣のポイントを紹介します。
歯磨き・デンタルフロスの習慣を整える
歯茎の健康を守るためには、毎日の歯磨き習慣が欠かせません。
磨く力が強すぎると歯茎を傷つける一方、磨き残しがあると細菌が繁殖しやすくなります。
歯ブラシは「ふつう」または「やわらかめ」の毛先を選び、力を入れすぎずに小刻みに動かします。
歯と歯の間に残った汚れは、歯間ブラシやデンタルフロスでやさしく取り除きましょう。
1日1回、夜寝る前に時間をかけてケアするだけでも効果が期待できます。
ストレス・睡眠不足との関係
ストレスや睡眠不足は、免疫力を下げる大きな要因です。免疫が弱ると口の中の細菌バランスが崩れ、炎症につながります。
さらに、ストレスが続くと無意識に食いしばってしまい、歯茎や顎への負担が増えることも少なくありません。
まずは心身のリズムを整え、十分な睡眠やリラックスできる時間を確保することが大切です。
歯のケアと同じように、身体の休息を意識する習慣が、歯茎の健康を長く守ります。
食生活と歯茎の健康のつながり
歯茎の健康のためには、食事の選び方も大切です。やわらかいものばかりに偏ると噛む刺激が少なくなり、血行が悪くなります。
一方で、よく噛む食事を意識すると、歯茎の筋肉が働き、引き締まった状態を保ちやすくなります。
さらに、ビタミンCやカルシウムといった栄養素は、歯茎を修復し強くするために欠かせません。
野菜や果物を積極的に取り入れ、栄養バランスを意識することで、内側から健康な歯茎を育てていきましょう。
早めに歯医者に行くべきサインと受診の目安

歯茎の痛みが続くと、「少し様子を見ようかな」と迷ってしまうこともあるでしょう。しかし、受診をためらっている間にも、内部では症状が進んでいます。
見逃してはいけないサインを知っておけば、治療のタイミングを逃さず対応できるでしょう。
自宅ケアでは改善しない症状
軽い違和感であれば、数日で自然に落ち着くことがあります。
一方で、痛みが3日以上続いたり、噛むとズキッとしたり、冷たいものがしみる症状があるときは要注意です。内部で炎症が進んでいる可能性があります。
また、一度痛みが和らいでも、神経が弱って感覚が鈍くなっているだけの場合もあります。
「おさまったはずなのにまた痛む」や「同じ場所が繰り返し痛む」といった状態は、自己判断で様子を見るより、早めの受診が安心です。
受診が必要なサインの見分け方
歯茎の痛みに加えて、出血や口臭、歯のぐらつきがあるときは、歯周病の初期段階が始まっている可能性があります。
また、押すと痛む部分から膿のような臭いや味を感じるときは、歯の根の奥で感染が起きているサインかもしれません。
痛みが夜間や朝方に強くなる場合も、神経の炎症が悪化している特徴としてよくみられます。
こうした症状が少しでも当てはまるときは、早めの受診で悪化を防ぎましょう。
診察時に伝えるとよいポイント
診察では、痛みがいつから続いているのか、どんな場面で強くなるのかを具体的に伝えることが役立ちます。
「押すと痛む」「噛むと響く」「冷たいものがしみる」など、刺激の種類を整理しておくと診断がスムーズです。
さらに、過去に同じ場所を治療した経験があるかどうかも大切な情報です。小さな気づきでも、原因を特定し、適切な治療へつなげる手がかりになります。
関連記事:歯が痛い すぐに歯医者に行けない人のための応急ケアと受診目安6選
まとめ|腫れていなくても油断せず、早めのケアを意識しよう

歯茎を押すと痛いのに見た目に異常がないと、「そのうち治るだろう」と判断してしまいがちです。
けれど、内部では炎症が起きていたり、負担がかかっていたりすることがあります。
まずは歯磨きやうがいで清潔な状態を保ちましょう。
それでも痛みが続く、噛むとズキッとする、歯が浮くような感覚があるときは、早めの受診が安心につながります。
さらに、ストレスや睡眠不足、食生活も歯茎の健康に影響する大切な要素です。 正しいケアと生活リズムを整えることで、炎症を予防し、健康な歯茎を維持できます。
見た目だけでは判断できないトラブルも潜んでいます。小さなサインのうちに向き合い、早めのケアで歯を守りましょう。
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この記事を監修した人

歯科ハミール本院 院長 赤崎 絢
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