歯茎が腫れていて、押すと膿のようなものが出ると、「このまま様子を見ても大丈夫なのか」「すぐ治療が必要なのでは」と不安になる方は少なくありません。
歯茎の腫れや膿は、歯周病をはじめとしたいくつかの原因によって起こり、状態によって対応の考え方も異なります。
自己判断で放置すると悪化するケースもあるため、正しい見極めが重要です。
本記事では、歯茎の腫れや膿が起こる主な原因や注意したい変化、歯科医院での治療を検討する目安について、わかりやすく解説します。
目次
歯茎が腫れて膿が出る2つの状態の考え方

歯茎が腫れて膿が出ると、「口の中で何が起きているのだろう」と不安になる方もいるでしょう。
しかし、この症状は一つの状態としてとらえるのではなく、段階に分けて考えることで、落ち着いて判断しやすくなります。
歯茎の腫れは、歯と歯茎の境目に細菌が入り込み、炎症が起きているサインです。
一方、膿が出ている場合は、炎症が進み、歯茎の中に細菌や老廃物がたまっている可能性が考えられます。
まずは自分の症状がどの段階にあたるのかを整理して理解することが大切です。
腫れは歯茎の中で炎症が起きているサイン
歯茎の腫れは、歯と歯茎の境目に細菌が入り込み、身体が反応している状態です。
歯磨きがしにくい場所に汚れがたまると、歯茎が刺激を受けて赤くなったり、ぷくっと膨らんだりします。
この段階では強い痛みが出ないことも多く、「少し違和感がある」「触ると腫れている気がする」と感じる程度の場合もあります。
そのため、忙しさから様子を見てしまう人も少なくありません。
ただし、腫れは身体からのサインです。炎症が続けば、次の段階へ進む可能性があるため、軽く見過ぎないことが大切です。
膿が出るのは細菌がたまっている可能性がある状態
歯茎を押したときに白っぽい液体が出る場合、それは細菌に対する身体の防御反応が表に現れている状態と考えられます。
炎症が進み、歯茎の中に細菌がたまっている可能性を示すサインです。
膿が出ることで一時的に腫れや痛みが和らぐこともありますが、原因そのものが解消されたわけではありません。
放置すると症状を繰り返したり、周囲に影響が広がったりすることがあるため、膿が確認できる場合は早めに歯科医院へ相談することが重要です。
関連記事:歯茎を押すと痛いのに腫れてない…これって何?考えられる4つの原因と対処法
歯茎の腫れや膿で考えられる3つの主な原因

歯茎の腫れや膿があると、原因がわからず不安に感じる方もいるでしょう。考えられる原因を整理すると、自分の状態を落ち着いて判断しやすくなります。
歯と歯茎のすき間に細菌が増えて炎症が起こる場合や、過去に治療した歯の周囲に原因が残っている場合があります。
また、体調の変化や口の中の環境が乱れることで、症状が表に出てくることも少なくありません。
こうした原因は一つだけでなく、いくつかが重なっているケースもあります。順番に確認していくことで、今の状態を理解しやすくなるでしょう。
歯と歯茎のすき間に細菌が増えて起こるケース
歯と歯茎の境目は歯ブラシが届きにくく、汚れがたまりやすい場所です。ここに細菌が増えると歯茎が刺激を受け、腫れやすくなります。
初めのうちは軽い腫れや出血だけで済むことも多く、痛みが少ないため見過ごされがちです。
しかし、炎症が進むと歯茎の中に細菌がたまり、膿が出る状態につながることがあります。
そのため、気づかないうちに症状が進行しているケースも少なくありません。
過去に治療した歯の周りで起こるケース
以前に治療した歯の周囲で、歯茎が腫れたり膿が出たりすることもあります。
見た目は治っているようでも、歯の内部や根の周辺に原因が残っている場合、時間が経ってから症状が現れることがあります。
この場合、腫れや膿を繰り返す傾向があり、「一度治ったはずなのに」と不安を感じやすいのが特徴です。
再び違和感が出たときは、自己判断せず、状態を確認してもらうことが大切です。
体調や口の中の環境が影響するケース
体調が崩れているときや、疲れがたまっているときは、口の中の環境も乱れやすくなります。
免疫力が下がると普段は問題にならない細菌が増え、歯茎の腫れや膿につながります。
また、口の中が乾きやすい状態が続くと、細菌が増えやすくなる点にも注意が必要です。
こうした要因が重なることで、症状が表に出てくるケースもあるため、生活リズムや体調の変化にも目を向けることが大切です。
関連記事:歯と歯の間が痛いのはなぜ?よくある原因4つと治し方のポイント
放っておくと起こりやすい2つの変化

歯茎の腫れや膿があっても、痛みが軽いと「もう少し様子を見よう」と考えてしまう方は少なくありません。
放置した場合に起こりやすい変化を知っておくと、対応の判断がしやすくなります。
炎症が続くと腫れや痛みが徐々に強くなり、症状を繰り返す原因になります。
さらに状態が進むと、歯茎だけでなく周囲の歯やその支えとなる部分にまで影響が及ぶこともあるでしょう。どのような変化が起こり得るのかを理解しておくことが大切です。
腫れや痛みが強くなる可能性
歯茎の中で炎症が続くと、腫れが徐々に大きくなったり、ズキズキとした痛みが出てきたりすることがあります。
初めは違和感程度だったものが、噛むと痛む、何もしなくても痛いといった状態へ変わっていくケースも少なくありません。
さらに膿がたまる量が増えると、歯茎がパンパンに張ったように感じることもあります。
一時的に膿が出て楽になっても、原因が残っていれば再び腫れや痛みを繰り返すため、注意が必要です。
周囲の歯や骨に影響が広がる可能性
炎症が長く続くと、歯茎だけでなく、その下にある骨や隣の歯にまで影響が及ぶことがあります。
支えとなる部分が弱くなると、歯がぐらついたり、違和感が広がったりする原因になります。
この段階まで進むと、治療に時間がかかる場合もあるでしょう。
症状が軽いうちに対応するかどうかで、その後の負担が変わるため、早めに変化に気づくことが重要です。
関連記事:歯茎を押すと痛いのに腫れてない…これって何?考えられる4つの原因と対処法
すぐ歯科医院に行ったほうがよい3つの症状の目安

歯茎の腫れや膿があると、「今すぐ歯医者に行くべきなのか」と受診のタイミングに迷うこともあるでしょう。
腫れや膿が何日も続いている場合や、時間の経過とともに痛みや違和感が強くなっている場合は注意が必要です。
また、食事がしづらい、会話に支障が出るなど、日常生活に影響が出ているときも受診を検討する目安になります。
自分の症状があてはまるかを落ち着いて確認してみましょう。
腫れや膿が何日も続いている場合
歯茎の腫れが数日たっても引かない、膿のようなものが繰り返し出る場合は、自然に治る段階を超えている可能性があります。
一時的に症状が落ち着いても、原因が残っていれば再び腫れや違和感が出てくることがあります。
長く続いている場合は、歯茎の中で炎症が進んでいることも考えられるため、早めに歯科医院で状態を確認してもらうことが大切です。
痛みや違和感が強くなってきた場合
最初は気にならない程度だったのに、時間がたつにつれて痛みが増してきた場合も注意が必要です。
噛んだときに痛む、何もしていなくてもズキズキするなど、症状が変化しているときは、状態が進行しているサインと考えられます。
痛みを我慢し続けると、治療の負担が増えることにもなりかねません。違和感が強まってきた段階で相談することで、早めの対応がしやすくなります。
日常生活に支障が出ている場合
食事がしづらい、口を開けると違和感がある、気になって仕事や家事に集中できないといった状態も、受診を考える目安になります。
痛みの強さだけでなく、生活への影響も判断材料の一つです。
無理をして過ごすよりも、状態を確認してもらい、安心して日常生活に戻りましょう。
関連記事:虫歯治療後に歯茎が腫れた!原因と正しいケア・受診の目安を解説
歯医者で行われる主な対応と治療の3つの流れ

歯科医院に行くべきか迷っているときは、「どのような処置をされるのだろう」と不安を感じやすいものです。
治療の流れをあらかじめ知っておけば、受診への心理的なハードルは下がります。
歯科医院ではまず症状の確認を行い、原因を丁寧に調べたうえで対応が進められます。
必要に応じて膿を出し、炎症を落ち着かせる処置が行われることもあります。その後、状態に合わせた治療方針が検討され、段階的に進めていくのが一般的です。
順を追って理解しておくと、落ち着いて受診しやすくなるでしょう。
症状の確認と原因を調べる流れ
受診すると、まず歯茎の腫れや膿の状態を確認します。いつ頃から症状があるのか、痛みの有無や変化について聞かれます。
必要に応じて、目で見えない部分を確認するための検査を行うこともあるでしょう。
こうした確認を通して、どこに原因があり、どの程度進んでいるのかを把握します。その結果をもとに、今後の対応について説明を受ける流れが一般的です。
膿を出して炎症を抑える対応
膿がたまっている場合は、まずそれを外に出し、炎症を落ち着かせる対応が行われます。
膿を出すことで圧迫感が軽くなり、痛みが和らぐことも少なくありません。
あわせて、炎症を抑えるための処置や、必要に応じた薬の対応が検討されます。
これらは症状を一時的に楽にするだけでなく、その後の治療を進めやすくするための大切な段階です。
症状に応じた治療の進め方
炎症が落ち着いたあとは、原因に応じた治療が行われます。歯茎のケアを中心に進める場合もあれば、過去に治療した歯の状態を確認しながら対応することもあるでしょう。
症状の程度によって通院回数や治療期間は異なりますが、事前に説明を受けながら進めるのが一般的です。
不安な点があれば、その場で相談することで納得したうえで治療を受けやすくなります。
受診までに自分で気をつけたい3つの生活上の注意点

歯科医院を受診するまでの間、どのように過ごせばよいのか悩む方もいるでしょう。
口の中をできるだけ清潔に保つことは基本ですが、強く刺激しすぎない配慮も必要です。また、腫れや膿を悪化させやすい行動を避けることも大切です。
つらさを感じる場合は、一時的に楽にするための対処を取り入れることも考えましょう。
できる範囲で生活に気を配りながら、落ち着いて受診を待つことがポイントです。
口の中を清潔に保つためにできること
歯茎が腫れているときでも、できるだけ口の中を清潔に保つことは大切です。強く磨く必要はありません。歯ブラシはやさしく当て、痛みのある部分を無理に刺激しないようにしましょう。
歯と歯の間は汚れが残りやすいため、痛みが強くない範囲で丁寧にケアすることがポイントです。口の中を清潔に保つことで、細菌が増えるのを抑える助けになります。
腫れや膿を悪化させやすい行動
腫れている部分を何度も触ったり、押して膿を出そうとしたりする行動は、症状を悪化させる原因の一つです。
さらに、強くうがいをすることや、刺激の強い飲食物を取ることも、歯茎への負担につながります。
気になって触りたくなることもありますが、できるだけ刺激を与えすぎないよう意識することが大切です。
一時的に楽にするための対処の考え方
腫れや違和感がつらい場合は、安静にして様子を見ることで楽になることがあります。
冷やすことで不快感が和らぐケースもありますが、あくまで一時的な対処であり、根本的な解決ではありません。
症状が続く場合や不安が強い場合は、自己判断で様子を見続けず、歯科医院に相談することを検討しましょう。
関連記事:舌で歯を押すと痛いときの原因3つと自宅でできる応急ケア
まとめ|歯茎の腫れや膿を感じたときは

歯茎が腫れて膿が出る症状は、身体からのサインの一つです。軽い違和感に感じられても、歯茎の中では炎症が進んでいることがあります。
腫れだけの段階と、膿が出ている段階では状態が異なるため、まずは自分の症状を落ち着いて見極めることが大切です。
原因としては、歯と歯茎のすき間に細菌が増えるケースや、過去に治療した歯の周囲で起こるケース、体調や口の中の環境が影響するケースなどが考えられます。
これらを放置すると、痛みや腫れが強くなったり、周囲に影響が広がったりする可能性があります。
腫れや膿が何日も続いている場合や、痛みが強くなっている場合、日常生活に支障が出ている場合は、早めに歯科医院へ相談すると安心です。
受診までの間は口の中を清潔に保ち、刺激を与えすぎないよう意識しましょう。
不安な症状を一人で抱え込まず、状態を確認してもらうことで、適切な対応が取りやすくなります。
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この記事を監修した人

歯科ハミール本院 院長 赤崎 絢
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