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2025/09/29

歯茎を押すと痛いときの4つの原因と治療法|応急処置や受診の目安も解説

歯茎を押すと、なんとなく痛い…。ジンジンとした違和感が続く…。

そんなとき「虫歯なのかな、それとも歯周病?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。受診のタイミングをどう決めればよいのか、判断に迷うこともあります。

歯茎の痛みには、虫歯の進行や歯周病、親知らずの炎症など複数の原因が考えられます。放置すると悪化して治療が長引くこともあるため、早めに原因を知り、適切に対処することが大切です。

この記事では、歯茎を押すと痛むときに考えられる原因と治療法、すぐにできる応急処置、受診の目安、そして予防のための習慣まで、わかりやすく解説します。

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歯茎を押すと痛いときに考えられる4つの原因

歯茎の痛みに口元を押さえる女性のクローズアップ

歯茎を押したときの痛みには、いくつかの代表的な原因が考えられます。主なものは次の4つです。

  • 歯周病や歯肉炎による炎症
  • 虫歯の進行や歯の根に膿がたまるケース
  • 親知らずや奥歯まわりの炎症
  • 歯ぎしりや歯のヒビ

歯周病や歯肉炎による炎症で痛む場合

歯茎が赤く腫れ、押すとジンジンとした違和感を覚えるときは、多くの場合、歯周病や歯肉炎が関係しています。歯と歯茎の境目に細菌が溜まり、炎症を起こすことで敏感になっている状態です。

初期の段階であれば、丁寧な歯磨きや歯科医院でのクリーニングで改善するケースも少なくありません。しかし放置すれば炎症が進み、やがて歯を支える骨にまで影響が及ぶ恐れがあります。

さらに進行すれば歯がぐらつき、最悪の場合は抜歯に至ることもあるでしょう。

虫歯の進行で歯の根に膿がたまった場合

虫歯が進行して歯の根の先に膿がたまると、押すと強い痛みを感じます。これは根尖病巣(こんせんびょうそう)と呼ばれる状態で、自然に治ることはありません。

治療には歯科医院での根管治療が欠かせません。そのまま放置すれば炎症が広がり、腫れや発熱を伴って日常生活にも支障をきたすでしょう。

親知らずや奥歯まわりの炎症による痛み

親知らずのまわりは歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすい部位です。そのため細菌が繁殖しやすく、歯茎が腫れて痛みを引き起こします。

特に、親知らずが斜めに生えていたり、歯茎から半分だけ顔を出していたりする場合は要注意です。周囲に食べかすが残りやすく、炎症を繰り返す原因になりかねません。

放置すれば痛みが強くなるだけでなく、隣の歯にまで悪影響を及ぼす恐れがあります。症状に心当たりがあるときは、早めに歯科医院で確認しておくと安心です。

歯ぎしりや歯のヒビが原因で痛む場合

寝ている間の歯ぎしりや強い食いしばりは、歯と骨をつなぐ歯根膜に大きな負担をかけます。その結果、歯根膜が炎症を起こし、歯茎を押すと痛みを感じやすくなります。

さらに注意が必要なのは、歯のヒビや割れです。放置すればヒビが広がり、やがて歯が割れてしまう危険性もあります。

最悪の場合は抜歯に至ることもあるため、歯ぎしりや噛みしめを軽視せず、就寝時のマウスピースなど予防の工夫を取り入れておくことが望ましいでしょう。

関連記事:歯が痛い すぐに歯医者に行けない人のための応急ケアと受診目安6選

前歯と奥歯で歯茎が痛む2つのケース

歯科衛生士が歯の模型を使って前歯と奥歯の違いを説明する様子

前歯と奥歯では、歯茎の痛みの原因に違いが見られます。それぞれの部位には特徴的な要因があり、症状の出方にも差があるのが特徴です。

  • 前歯の歯茎が痛むときに考えられること
  • 奥歯の歯茎が痛むときに考えられること

前歯の歯茎が押すと痛いときに多い原因

前歯は外からの衝撃を受けやすい部位です。転倒や強い力が加わるとヒビが入り、押したときに痛みを感じることがあります。

また、歯並びや噛み合わせによって特定の歯に力が集中すると、違和感や痛みにつながることもあります。見た目に関わる場所でもあるため、気になる症状があれば早めに確認しておくと安心です。

奥歯の歯茎が押すと痛いときに多い原因

奥歯は噛む力が最もかかる部位です。そのため歯ぎしりや食いしばりによってダメージを受けやすく、歯茎の炎症につながることがあります。

さらに親知らずが原因となり周囲に炎症が広がると、押したときの痛みが強くなる傾向があります。奥歯は鏡でも見えにくい位置にあるため、症状が進行する前にチェックしておくとリスクを減らせるはずです。

関連記事:【保存版】奥歯の歯茎がぶよぶよで痛いときの対処法|事前に防ぐ方法も解説

歯茎にできものがあるときに考えられるフィステルの4つの知識

歯科医が歯茎を診察している女性患者

歯茎に小さな白いできものが現れると、不安に感じる方は少なくありません。見た目はささいな変化に思えても、実は歯の根に関わる病気のサインかもしれません。

ここでは、その代表的な症状である「フィステル」について、次の4つの視点から整理します。

  • フィステルとはどんな状態か
  • 根管治療で治せるのか
  • 放置した場合のリスク
  • 早めに治療を受けるべき理由

フィステルとはどんな状態か

フィステルとは、歯の根の先に膿がたまり、その出口として歯茎に小さな膨らみが現れた状態です。白っぽい点や小さな突起のように見えることが多く、押すと膿がにじみ出る場合もあります。

膿が排出されると一時的に痛みがやわらぎますが、細菌感染がなくなったわけではありません。見た目には落ち着いたように感じても、炎症が再び悪化する恐れがあるため注意が必要です。

フィステルは根管治療で治せるのか

フィステルの基本的な治療は根管治療です。歯の内部を清掃・消毒し、根管をきちんと封鎖することで、多くの場合は改善が見込めます。

ただし、感染が広範囲に及んでいる場合や歯にヒビが入っている場合には、根管治療だけでは十分とはいえません。

そのようなケースでは歯根端切除術などの外科処置が検討され、まれに抜歯へと至ることもあります。

フィステルを放置したときのリスク

フィステルを放置すると、膿が繰り返し溜まって炎症が長引きます。やがて歯を支える骨が徐々に溶け、歯がぐらつくだけでなく、隣の歯にまで悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに炎症が顎の骨や周囲の組織に広がれば、発熱や強い腫れを伴い、日常生活に支障をきたすほどの重い症状へと進行しかねません。

一見すると小さな膨らみに思えても、全身の健康に関わるリスクを抱えている点は見過ごせないでしょう。

早めに治療を受けるべき理由

フィステルは自然に治ることはなく、原因となる感染を取り除かなければ再発を繰り返します。早めに治療を受ければ炎症が広がる前に対応でき、歯を残せる可能性も高まります。

反対に、治療が遅れれば骨の吸収が進み、抜歯を避けられない事態に陥ることもあるでしょう。

たとえ痛みがなくても、歯茎に小さな膨らみを見つけた時点で歯科を受診しておくことが、将来の口腔内環境を守るうえで重要です。

関連記事:親知らず周辺の歯茎が腫れる「智歯周囲炎」とは?予防法も紹介

歯茎が痛いときに自宅でできる3つの応急処置とセルフケア

歯茎の痛みを和らげるために市販薬を服用する女性

急に歯茎が痛むと、すぐにでもやわらげたいと感じるものです。そんなときに役立つのが、自宅でできる応急処置や日常のセルフケアです。

ここでは次の3つを紹介します。

  • 冷やす・市販薬を使うなどの応急処置
  • 歯磨きやデンタルフロスによる基本的なケア
  • 栄養や生活習慣の見直し

冷やす・市販薬を使うなどの応急的な対処法

歯茎が腫れて熱を持っているときは、タオルで包んだ保冷剤を頬の外側からあてると炎症が落ち着きます。痛みが強い場合には、市販の鎮痛薬を使うのも選択肢の一つです。

ただし、冷却を長時間続けることや薬を繰り返し使いすぎることは避けましょう。あくまで一時的に症状を抑えるための処置として考えるのが大切です。

正しい歯磨きとデンタルフロスで炎症を抑える方法

痛みがあるからといって歯磨きを怠ると、細菌が繁殖して悪化の原因になります。柔らかめの歯ブラシを選び、歯と歯茎の境目を意識してやさしく磨くことが大切です。

また、歯間の汚れはデンタルフロスや歯間ブラシを使って取り除くと効果が高まります。こうしたケアを続ければ炎症が落ち着きやすくなり、症状の改善にもつながるでしょう。

栄養や生活習慣を見直して治りを早める方法

免疫力が低下すると炎症は治りにくくなります。十分な睡眠をとり、栄養バランスの整った食事を意識することで、体の治癒力を高められます。

特にビタミンCやタンパク質は歯茎の健康に欠かせない栄養素です。日常の食生活に積極的に取り入れることで、回復を後押しできるでしょう。

歯茎が痛いときに歯医者を受診すべき2つのサインと治療の目安

頭痛や強い痛みに苦しむ女性のイメージ

歯茎の痛みはつい我慢してしまいがちですが、放置すれば症状は悪化します。受診の目安を知っておくことが、早めの対応につながります。

  • 強い痛み・膿・腫れ・発熱があるとき
  • 症状に応じた治療内容と通院の目安

強い痛みや膿・腫れ・発熱がある場合

押すと痛むだけでなく、ズキズキと強い痛みが続く場合や、眠れないほど症状が悪化しているときは危険な状態です。

歯茎から膿が出る、あるいは袋状の腫れが見られる場合は、細菌感染が進行している可能性が高いでしょう。

さらに発熱や顔の腫れを伴っているときは、炎症が広がっているサインです。そのまま放置せず、早めに歯科医院を受診することが欠かせません。

症状に応じた治療内容と通院の目安

軽い歯肉炎であれば、歯科医院でのクリーニングや歯磨き指導で改善するケースが多く見られます。根の先に膿がたまっている場合には根管治療が必要となり、複数回の通院が求められるでしょう。

重症化すれば外科的な処置や抜歯に至ることもあり、その分治療期間も長引きます。早めに受診しておけば治療の負担や費用を抑えられます。

関連記事:歯が痛い すぐに歯医者に行けない人のための応急ケアと受診目安6選

歯茎の痛みを予防するための2つの習慣

野菜や果物を取り入れたバランスの良い食事をする女性

歯茎の痛みは、繰り返す前に予防しましょう。日々のケアを少し工夫するだけで、再発のリスクを抑えることができます。

  • 毎日の歯磨きと歯間ケア
  • 食生活の改善と禁煙

毎日の歯磨きとデンタルフロスで歯茎を守る方法

歯茎の健康を保つ基本は正しい歯磨きです。歯と歯茎の境目を意識して歯ブラシを当て、力を入れすぎず丁寧に磨くことが重要です。

また、歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシを習慣的に使うと汚れをしっかり落とせます。こうした積み重ねが歯茎の炎症予防につながり、健康な状態を維持しやすくなります。

食生活の改善と禁煙で炎症を防ぐ方法

甘いお菓子やジュースは虫歯や歯周病のリスクを高めるため、できるだけ控えましょう。野菜やタンパク質を意識したバランスの良い食事は、歯茎の抵抗力を支えてくれます。

また、喫煙は歯茎の血流を悪化させ、炎症を進める原因となります。禁煙を心がけることは口腔環境の改善に直結し、結果的に歯茎の痛みを防ぐ有効な手段になるでしょう。

関連記事:痛みがなくても進んでいる?虫歯の進行速度と予防法を徹底解説

まとめ|歯茎を押すと痛いときは早めの受診と予防が大切

健康的な笑顔を見せる女性の口元

歯茎を押すと痛む原因には、歯周病や虫歯の進行、親知らずの炎症、噛み合わせのトラブルなどさまざまな要因があります。

応急処置で一時的に症状を抑えることはできますが、放置すれば悪化のリスクが高まります。強い痛みや腫れ、膿や発熱があるときは、早めに歯科医院を受診することが重要です。

さらに、日々の歯磨きやデンタルフロスに加えて、バランスのとれた生活習慣を心がけることが予防につながります。

違和感を覚えたときは自己判断にとどめず、歯科医師の診断を受けることで将来的な不安を減らせるでしょう。

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