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2025/09/03

歯の痛み ツボで和らげる方法|即効性と注意点から予防法まで解説

「会議の最中に歯がズキズキ痛む…」
「試験中なのに薬も飲めないし、冷やすこともできない…」

そんな状況で困った経験はありませんか?

こうした場面で強い味方となるのが「ツボ押し」です。手や顔にあるツボを刺激することで神経の緊張を和らげ、歯の痛みを一時的にやわらげる効果が期待できます。

この記事では、歯の痛みに効く代表的なツボの場所と押し方、即効性を期待できるセルフケアの方法、ツボ押しを行う際の注意点や歯科医院に行くべき症状、さらに再発を防ぐための予防法まで解説します。

急な痛みに悩まされたときの「いざというときの助け」として、ぜひ参考にしてください。

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歯の痛みに効くツボはある?基本の考え方

手の甲にある合谷(ごうこく)の位置を示す写真。歯痛に効く代表的なツボ

歯の痛みは前ぶれなく起こるものです。会議や試験の最中など、薬を飲むことも冷やすこともできない場面では本当に困りますよね。そんなときにぜひ試してほしいのが「ツボ押し」です。 

ツボは東洋医学で「気や血の流れを整えるポイント」とされています。そして、その場所を刺激することで神経や筋肉の緊張がゆるみ、痛みの感じ方が変わって一時的に楽になると考えられています。

ただし、ツボ押しはあくまで補助的な応急処置のひとつです。虫歯や歯茎の炎症そのものを治すものではありません。症状が続く場合は必ず受診しましょう。

関連記事:歯が痛いときに歯医者に行けない場合の応急処置と受診目安

歯の痛みに効く代表的なツボの場所と押し方

頬の痛みを和らげるツボ「頬車」を押している女性の写真

効果を得るには、ツボの位置を正しく押さえることが大切です。この章では、歯の痛みに効く代表的なツボと押し方を解説します。さらに、即効性を期待できるポイントも紹介するので、状況に応じて活用してください。

手にあるツボ

手には、歯の痛みをやわらげるのに役立つツボがあります。中でも代表的なのが「合谷(ごうこく)」です。手の甲側の、親指と人差し指の骨が交わるあたりに位置し、親指で押すと「ズーン」と響く感覚を得られます。リラックス効果や神経系の働きに影響を与えるとされており、一時的に痛みが楽になる場合があります。

顔まわりのツボ

歯の痛みを強める要因のひとつが、顔の筋肉のこわばりです。痛みが強いときは、顔まわりのツボも刺激してみましょう。

代表的なのが「頬車(きょうしゃ)」です。耳たぶの下、下顎の角あたりに位置し、口を少し開けてエラの部分を探ると指がはまるくぼみが見つかります。そこを円を描くように押すと、奥歯の痛みが軽くなると言われています。

もう一つが「下関(げかん)」です。耳の前方、頬骨の下にあり、口を開け閉めすると動く部分です。ここを人差し指でしっかり押すと上の歯の痛みに効くとされています。

即効性を期待できるツボの押し方

「とにかく今すぐ楽になりたい」というときには、押し方に工夫が必要です。

ツボ押しの基本は「痛気持ちいい」と感じる強さで、呼吸を整えながら数秒〜数分押し続けることです。深呼吸に合わせて押すと副交感神経が働き、痛みがやわらぎやすくなります。

合谷や頬車といった代表的なツボでも、この方法は効果的です。

歯痛に効くツボ押しの効果と科学的根拠

ツボ押しについては、科学的に一定の効果が示唆されています。

米国国立衛生研究所(NIH)の合意形成声明(1997年)や世界保健機関(WHO)の公式見解では、鍼灸やツボ刺激が「さまざまな痛みに有効」と紹介されています。

とくに術後の歯の痛みや慢性的な痛みに効果があると示されており、信頼できる根拠といえるでしょう。

さらに「合谷」などのツボを刺激すると、エンドルフィンと呼ばれる脳内の鎮痛物質が分泌されることも分かっています。

ただし、あくまで補完的な医療手段として位置づけられており、歯痛の根本治療には必ず歯科医院での診察が必要です。

参考文献:

ツボ押しで歯の痛みが和らぐ理由と注意点

人体の血管と神経の流れを示すイラスト。ツボ押しによる歯痛緩和の仕組みを表現

なぜツボを押すと歯の痛みがやわらぐのか、気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、その仕組みと安全に行うための注意点を解説します。

ツボ押しが効くとされる仕組み

ツボ押しが歯の痛みに効くとされる理由のひとつは、神経と血流の働きにあります。ツボを刺激すると、緊張していた筋肉がゆるみ、滞っていた血のめぐりが整うことで痛みがやわらぎやすくなるのです。また、自律神経の働きが安定し、リラックス効果も期待できます。

とくに「合谷」や「頬車」といったツボは歯や顔の神経とつながりが深く、刺激することで痛みを抑える信号が脳に伝わると考えられています。実際に、臨床研究でも一時的に痛みをやわらげる効果が報告されており、応急処置としての根拠がある方法といえるでしょう。

強く押しすぎは逆効果?安全に行うコツ

一方で、必要以上に力をかけると筋肉や血管を圧迫してしまい、かえって痛みが増すこともあります。皮膚に痕が残るほどの刺激は避け、痛気持ちいいと感じる程度を目安にしましょう。

深呼吸に合わせて数秒間押してはゆっくり離すリズムで繰り返すと、体に負担をかけずに安全に行えます。

ただし、ツボ押しはあくまで応急処置ですから、痛みが続く場合は早めに歯科医院を受診してください。

ツボ以外で歯の痛みを和らげる応急処置

塩水うがいをしている女性の写真。歯の痛みをやわらげる応急処置のひとつ

外出先ではツボ押しが役立ちますが、帰宅後は自宅でできる方法も試してみましょう。冷やして炎症を抑える、塩水うがいで口内を清潔にする、といった対処が効果的です。さらに、市販の鎮痛薬を使うときの注意点も知っておくと安心です。

冷やす・うがいで炎症を抑える方法

炎症が起きると血流が増え、その影響で腫れや痛みが強まりやすくなります。そんなときは、頬の外側から保冷剤や氷をタオルで包んで当ててみましょう。腫れや痛みをやわらげる効果が期待できます。

また、ぬるま湯に塩を溶かした塩水うがいは、口内を清潔に保ち炎症を抑えるのに有効です。目安は、ぬるま湯100mlに対して塩を耳かき1〜2杯程度です。濃すぎないので刺激が少なく、安心して取り入れられます。

一方で、熱すぎる飲み物は血流を促し、痛みを強める可能性があるため控えましょう。

市販の痛み止め薬を使う場合の注意点

我慢できない痛みには、市販の鎮痛薬を使うのも有効です。ただし、用法・用量を守り、アルコールとの併用や空腹時の服用は避けてください。持病がある方や妊娠中の方は、必ず医師や薬剤師に相談してから使うようにしましょう。

関連記事:痛みがなくても進んでいる?虫歯の進行速度と予防法を徹底解説

歯の痛みを放置するとどうなる?受診の目安

歯の痛みを我慢している女性の写真。歯痛を放置するリスクのイメージ

痛みが落ち着いたからといって、そのまま放置してしまうのは危険です。ここでは、放置することで起こり得るリスクと、歯科医院を受診すべきタイミングについて解説します。

放置によるリスク

歯の痛みを放置すると、口腔内の炎症が広がり、虫歯や歯周病が悪化してしまいます。症状が進行すると歯を失うだけでなく、かむ力が弱まり、食事がとりにくくなることもあるでしょう。

さらに、痛みや不快感が続けば睡眠不足や食欲低下につながり、放置すれば生活全体に大きな悪影響を及ぼしかねません。

歯科医院に行くべきタイミングの判断

歯の痛みが一度おさまっても、繰り返し起きる場合は注意が必要です。虫歯や歯周病が進行している可能性があります。

また、歯茎が腫れて膿が出ている、発熱を伴うといった症状は、感染が広がっているサインです。放置すると全身に悪影響を及ぼす危険もあるため、すぐに歯科医院を受診しましょう。

さらに、市販薬や応急処置で一時的にしのげても、それは根本的な解決にはなりません。痛みが出た時点で早めに歯科医院を受診することが、症状の悪化を防ぐ最善の方法です。

関連記事:抜歯しないといけない歯を放置したら…10年後の怖いリスク

歯の痛みを繰り返さないための予防法

毎日の歯磨きで歯の健康を守る女性の写真

治療を受けて痛みがなくなっても「また起きるのでは」と不安になるかもしれません。安心して過ごすためには、虫歯や歯周病を予防する日常の習慣を整えることが大切です。

この章では、毎日の歯磨きや食生活の工夫に加え、定期検診で早めに異常を見つける方法について紹介します。

毎日の歯磨きと食生活の工夫

歯の健康を守る基本は、毎日の歯磨きです。歯ブラシを正しく使い、デンタルフロスや歯間ブラシを取り入れることで、歯と歯の間や奥歯の細かい部分まで清掃できます。

最近は、短時間で効率よく磨ける電動歯ブラシも普及しています。研究でもプラーク除去効果が高いと報告されており、歯磨きが苦手な方や矯正中の方、高齢の方にはとくに役立つ道具です。

ただし、力を入れすぎると歯茎を傷めるおそれがあるため、軽く当てることを意識しましょう。電動歯ブラシを使っても、歯と歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシでケアすることが欠かせません。

結局のところ、手磨きでも電動でも「磨き残しを減らせるかどうか」が最も重要となります。

さらに、砂糖の多い食べ物や清涼飲料水を控え、間食の回数を減らすことも大切です。

糖分をとる回数が少なければ、口の中が酸性になる時間が短くなり、そのぶん虫歯のリスクも下がります。

こうした小さな積み重ねが、将来の歯の健康を左右する大きなポイントになるのです。

定期検診で早めに異常を見つける

歯の健康を守るためには、半年〜1年に1回の定期検診が大切です。

ところが、厚生労働省の調査(令和4年)では、検診を受けた人は全体の約51%にとどまり、職場や自治体の健診受診率も平均13%と低い状況です。

定期検診を受けている人は、歯を失う本数が少ないことが調査でも示されています。 とくに40代以降では、検診を習慣化している人ほど残っている歯の本数が多い傾向にあり、その予防効果が裏づけられています。 

海外の研究でも、定期検診によって虫歯や歯周病のリスクが20〜40%低下することが報告され、予防の大切さは国際的にも広く認められるところでしょう。

参考文献:

まとめ|ツボ押しは応急処置、本質は早めの受診

歯科医院で歯科医と笑顔で相談する患者の写真

合谷や頬車といったツボを押すことで一時的に痛みをやわらげられます。ほかにも、冷却や塩水うがい、市販の鎮痛薬などが応急処置として役立ちます。

ただし、これらはあくまで一時的な対応にすぎません。虫歯や歯周病は自然には治らず、放置すると悪化してしまいます。

厚生労働省のデータでも、歯科検診を受けていない人が依然として多いことが示されています。だからこそ、ツボや応急処置でしのぎながらも、できるだけ早く歯科医院を受診すること、そして定期的な検診で再発を防ぐことが大切です。

未来の自分のために、今日から少しずつ習慣を整えていきましょう。

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