「口臭が気になるが、原因がわからない」「もしかすると歯周病かもしれない」と、不安を抱える方は少なくありません。
歯周病による口臭には特徴があり、いくつかのポイントを押さえることで、口臭の有無を確認する目安になります。
本記事では、歯周病の臭いの特徴やセルフチェックの方法、口臭を引き起こすそのほかの原因、改善策までを順に解説します。

目次
歯周病の臭いは自分でわかる?

歯周病が原因の口臭は独特の臭いを伴うことがあり、自分で気づくきっかけになる場合があります。
まずは、歯周病の口臭がどのような特徴を持ち、なぜ発生するのかを理解しておきましょう。
歯周病による口臭には特徴がある
歯周病による口臭は、卵が腐ったような臭いや血生臭い臭いと表現される独特のものです。
これは、原因菌が出すガスによって生じます。
食後の一時的な口臭とは性質が異なり、歯磨きをしても臭いが残りやすい点が特徴です。
臭いが強い場合は、歯周病が進行している可能性があるため注意が必要です。
歯周病の臭いが発生する仕組み
口臭の主な原因は、揮発性硫黄化合物(VSC)と呼ばれるガスです。
歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットで細菌が増殖します。
この細菌がタンパク質を分解する際に発生するのが、硫化水素やメチルメルカプタンといった臭いの強いガスです。
歯周ポケットが深くなると、細菌が増えやすくなり、臭いが強まる場合があります。
関連記事:歯周病の口臭は自分では気づかない?特徴や原因・治療法を解説
歯周病の臭いを自分で確認する方法

歯周病による口臭は、特別な器具がなくても自宅で確認できます。
ここでは、手軽に試せる5つの方法を紹介します。
複数を組み合わせると、口臭の状態を把握する目安になります。
コップや袋を使って息の臭いを確認する
清潔なコップやポリ袋に息を吐き、いったん口を閉じてから中の空気の臭いを確認する方法です。
吐いた直後よりも、数秒置いてから嗅ぐほうが臭いを感じ取りやすくなります。
手軽に試せるため、口臭が気になったときの最初のチェックに適しています。
デンタルフロスの臭いを確認する
歯と歯の間にデンタルフロスを通し、使用後の臭いを確認する方法です。
歯周ポケットや歯の間に汚れがたまっていると、フロスに臭いが移ります。
強い臭いを感じる場合は、その部分で歯周病の原因菌が繁殖している可能性があります。
出血を伴うときは、歯ぐきに炎症が起きているサインです。
舌をこすって臭いを確認する
清潔なガーゼやティッシュで舌の表面を軽くこすり、その臭いを確認する方法です。
舌の表面に付着した汚れからも口臭は発生します。
ただし、舌由来の臭いは歯周病とは原因が異なるため、ほかの方法と併用して総合的に判断することが大切です。
市販の口臭チェッカーを利用する
ドラッグストアや通販では、口臭の程度を数値で示す口臭チェッカーも市販されています。
息を吹きかけると、ガスの濃度をもとに口臭のレベルが表示される仕組みです。
自分の感覚に頼らず数値で確認できるため、客観的な指標として役立ちます。
ただし、原因までは特定できません。
家族や身近な人に確認してもらう
口臭は自分では気づきにくいため、信頼できる家族や身近な人に確認してもらう方法も有効です。
人は自分の臭いに慣れてしまい、変化を自覚しにくい傾向があります。
第三者の意見を取り入れることで、自分では気づきにくい口臭に気づくきっかけになります。
歯周病が疑われるセルフチェックリスト

口臭以外にも、歯周病にはさまざまなサインが現れます。
以下の項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。
複数該当する場合は、歯周病が進行している可能性があります。
関連記事:歯周病は見た目でわかる?チェックポイントと受診の目安
歯ぐきから血が出る
歯磨きやデンタルフロスの使用時に歯ぐきから血が出る場合、歯ぐきに炎症が起きているサインです。
出血は歯周病の初期段階でよく見られる症状であり、見過ごさないことが重要です。
歯ぐきが腫れている・赤くなっている
健康な歯ぐきは、薄いピンク色で引き締まっているのが特徴です。
歯周病が進むと、歯ぐきは赤みを帯び、ぶよぶよと腫れた状態に変わります。
炎症が続けば、押したときに痛みや違和感を覚える場合もあります。
色や形の変化は、進行を見極める手がかりです。
歯ぐきが下がった気がする
以前よりも歯が長く見える、歯と歯の間にすき間が目立つようになった場合は、歯ぐきが下がっているサインです。
歯周病が進行すると、歯を支える組織が破壊され、歯ぐきが退縮します。
冷たい物がしみる知覚過敏の症状を伴うこともあります。
歯と歯の間に物が詰まりやすい
食事のたびに歯と歯の間へ食べ物が詰まりやすくなった場合も、注意が必要です。
歯ぐきが下がったり、歯の位置が動いたりすることで、歯と歯のすき間は広がります。
詰まった汚れを放置すると細菌が繁殖し、歯周病や口臭を悪化させる原因となります。
朝起きたときに口のネバつきが強い
起床時に口の中のネバつきや不快感が強い場合、歯周病が関係している可能性があります。
睡眠中は唾液の分泌が減るため、細菌が繁殖しやすい状態です。
歯周病があると、この傾向はより強まります。
朝のネバつきが続くときは、口内環境の悪化を疑いましょう。
歯がグラグラする
歯に指で触れると動く、噛んだときに違和感があるといった場合、歯周病がかなり進行している可能性があります。
歯を支える歯槽骨が溶けると、歯は固定されず動くようになります。
チェック項目が複数当てはまる場合は注意
ここまでの項目に複数当てはまる場合は、歯周病が関係している可能性があります。
歯周病は自覚症状が乏しいまま進むため、気づいたときには重症化しているケースも珍しくありません。
一つでも気になる症状があれば、早めに歯科医院へ相談することが大切です。

歯周病以外にも口臭の原因はある

口臭の原因は、歯周病だけではありません。
気になる症状がある場合は、ほかの要因が関係している可能性も考えられます。
ここでは、代表的な5つの原因を紹介します。
舌苔(ぜったい)
舌の表面に付着する白い汚れを、舌苔と呼びます。
舌苔は、細菌や食べかす、はがれた粘膜などが集まったもので、口臭の大きな原因の一つです。
舌苔は硫化水素などの揮発性硫黄化合物(VSC)の発生源となり、口臭の原因の一つとされています。
虫歯
虫歯が進行すると、歯に開いた穴に食べかすや細菌がたまり、臭いの原因となります。
神経まで達した虫歯では、内部で組織が腐敗し、強い臭いを伴う場合もあります。
虫歯による口臭は治療で改善するため、原因の特定が重要です。
口腔乾燥(ドライマウス)
唾液には、口の中を洗浄し、細菌の増殖を抑える働きがあります。
唾液の分泌が減って口の中が乾くと、細菌が繁殖しやすくなり口臭が強まります。
加齢やストレス、薬の副作用、口呼吸などが主な原因です。
こまめな水分補給や唾液腺の刺激が、対策として有効です。
食べ物や嗜好品
一時的に口臭を強める食品には、以下のようなものがあります。
- ニンニク
- ニラ
- アルコール
- コーヒー
これらに含まれる成分が体内に吸収され、呼気として排出されるためです。
喫煙も口臭の原因となるうえ、歯周病を悪化させる要因にもなります。
食生活由来の口臭は、一時的なものが中心です。
全身疾患が関係するケース
口臭は、口の中以外の病気が原因となる場合もあります。
たとえば糖尿病では、特徴的な臭いを伴うことがあります。
また、鼻やのどの病気などが口臭に関係する場合もあります。
歯科で原因が見つからないときは、内科など他科の受診を検討しましょう。
歯周病による口臭を放置するリスク

歯周病による口臭を放置すると、口臭が悪化するだけでなく、歯や全身の健康にも影響が及びます。
ここでは、放置によって生じる主なリスクを解説します。
歯周病が進行する
歯周病は自然に改善しにくく、進行を防ぐには適切なケアや治療が必要です。
炎症が広がると、歯を支える組織は徐々に破壊されます。
進行に伴って歯周ポケットは深くなり、口臭もいっそう強くなるのが特徴です。
悪化を防ぐには、早い段階での対処が欠かせません。
歯を失う可能性がある
歯周病が重症化すると、歯を支える歯槽骨が溶け、最終的に歯が抜け落ちる場合もあります。
実際、歯周病は日本人が歯を失う主な原因の一つです。
失った歯や歯を支える骨は、元の状態に戻すことが難しい場合があります。
歯を残すためにも、早期の治療が重要となります。
周囲の人とのコミュニケーションに影響する
強い口臭は、対人関係に影響を及ぼす要因の一つです。
相手に不快感を与えてしまうのではないかという不安から、人と話すことに消極的になる方も見られます。
口臭の改善は、自信を持って人と接するうえでも意味を持ちます。
全身の健康に影響する可能性がある
歯周病の原因菌は、血流に乗って全身へと広がる性質があります。
歯周病は、糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎などとの関連が報告されています。
だからこそ、口の中を健康に保つことは全身の健康を守ることにもつながるのです。

歯周病による口臭を改善する方法

歯周病による口臭は、適切なケアと治療によって改善が期待できます。
ここでは、自宅でできる対策から歯科医院での治療まで、具体的な方法を紹介します。
正しい歯磨きを行う
口臭改善の基本は、毎日の正しい歯磨きです。
歯と歯ぐきの境目に歯ブラシを45度の角度で当て、小刻みに動かして汚れを落とします。
力を入れすぎると歯ぐきを傷つけるため、やさしく磨くことがポイントです。
磨き残しの多い部分は、特に意識して磨きましょう。
デンタルフロス・歯間ブラシを使用する
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを十分に落とせません。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると、歯周病の原因となる歯垢を効果的に除去できます。
歯と歯のすき間の広さに合わせて、適した道具を選ぶことが重要です。
舌の清掃を行う
舌苔が口臭の原因となっている場合は、舌の清掃が効果的です。
専用の舌ブラシや舌クリーナーを使い、舌の奥から手前へなでるように汚れを取り除きます。
強くこすると舌の表面を傷つけるため、力加減には注意が必要です。
生活習慣を見直す
口臭の改善には、生活習慣の見直しも欠かせません。
とりわけ喫煙は歯周病を悪化させるため、禁煙が望ましい習慣です。
バランスの取れた食事や十分な睡眠は、免疫力を保ち口内環境を整えます。
よく噛んで食べる習慣は唾液の分泌を促し、口臭の予防にも効果的です。
歯科医院で歯周病治療を受ける
セルフケアだけでは、歯周ポケットの奥にたまった歯石を取り除くのは困難です。
歯科医院では、専用の器具を用いて歯石や歯垢を除去し、歯周病の進行を抑える治療を行います。
症状に応じた治療によって、口臭の改善が期待できます。
関連記事:歯周病の初期サインとは?痛みがなくても進む理由と受診目安
歯周病の臭いが気になるときは歯科医院へ相談を

口臭が気になる場合や、セルフチェックで歯周病が疑われる場合は、歯科医院への相談を検討しましょう。
専門的な検査により、原因を正確に把握できます。
自覚症状がなくても歯周病は進行する
歯周病は、初期の段階では痛みなどの自覚症状がほとんどありません。
そのため、気づかないうちに進行しているケースも多く見られます。
定期的な歯科検診は、早期発見と早期治療につながる有効な手段です。
症状がなくても受診する意義は、決して小さくありません。
口臭の原因を正確に特定できる
口臭の原因は、歯周病以外にもさまざまです。
歯科医院では、歯周ポケットの検査や口腔内の状態の確認を通じて、口臭の原因を調べることができます。
原因が明確になれば、それに応じた適切な対策を講じることが可能になります。
早期治療が歯を守ることにつながる
歯周病は早期に治療を始めることで、進行を抑えやすくなります。
進行してからの治療では、より複雑な処置が必要になりがちです。
口臭をきっかけに早めに受診することが、結果として大切な歯を守ることにつながります。
赤崎 絢院長の総評|歯周病の臭いはセルフチェックできるが早めの受診が大切
歯周病による口臭は、卵が腐ったような独特の臭いが特徴です。
コップやデンタルフロスを使えば、自分でも臭いを確認できます。
歯ぐきからの出血や腫れ、歯のぐらつきなどのサインが複数当てはまるなら、歯周病の進行が疑われます。
口臭の原因は歯周病に限らず、舌苔や虫歯、口腔乾燥、全身疾患など多岐にわたるものです。
放置した場合、歯を失うだけでなく全身の健康にも影響が及びかねません。
セルフチェックは、あくまで目安の一つです。
原因に応じた対策を行うためには、歯科医院での検査や相談が大切です。
口臭や歯ぐきの異常が気になる方は、歯科ハミール 半田院へご相談ください。

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